2011/01/13
実用車入荷
去年末に整備が出来上がってきていましたが、生憎天候が不順な日が多くなかなか店頭に出して置くことができませんでした。久々の自転車入荷です。
丸石商会(丸石自転車)の実用車。
ここ数年は健康志向と節約志向に後押しされたのか、大変な自転車ブームだと言われていますが、古道具屋が扱う自転車というのも地味ながら愛好者が多いのです。「実用車」というのは重いものを積んで運んだりするための堅牢な自転車のことです。現在でも新聞配達や郵便配達などで使われますしブリジストンなどが作っています。対して、子どもから女性までラクラク乗ることができるのは「軽快車」とよばれます。いわゆるママチャリもこれに含まれます。

漢字の石を丸で囲んだトレードマークがとても素敵な自転車です。

カンガルーのエンブレム付。

ここにも丸石。

革サドルです。雨の日に外に出さないのは、革サドルが大変雨に弱いからです。自転車なので雨ざらしにしても良いだろうと思うかもしれませんが、このような自転車は個体数が少なく代替の部品を探すのも一苦労です。なるだけ丁寧にメンテナンスしながら末永く使って欲しいと思います。

ライトはナショナル。古い自転車にも部品をカスタマイズする楽しみがあります。骨董市で状態のよいサドルを探したり、格好の良いリフレクター(反射板)をつけてみたり…郵便車の払い下げの場合は赤いまま乗っていると叱られますから、好きな色に再塗装したり、と実用車の楽しみは奥が深いです。

一般的な黒塗りの実用車よりも軽快車に近い作りで、パンツスタイルなら女性でも乗ることができる重さです。実用車入門編として如何でしょうか?

ちなみに本格的な重荷用の実用車は、このようなタイプです。これは夫の自転車、サン号で2007年のNO!(エヌ・オー)にてミンナの宝物、という特集の時に掲載してもらった自転車です。大名の悪徳家の店主は実用車好きで複数台保有していますが、荷台にサーカスの様に家具を積み上げて運ぶ姿は一昔前の大名の名物のようなものでしたね。
毎日の生活では軽快車で不自由ないと思いますが、いざという時にはママチャリやロードバイクではモノを運搬するのは非常に困難になります。実際に阪神淡路大震災の時には水など重いものも大量に積載できる実用車が本当に役に立ったという話も耳にしました。武骨な外観ながら立派な自転車なのです。