2010/09/29
石油ストーブ比較「ニッセン」編
今年もぞくぞくと入荷中の石油ストーブ、現在店頭に各種全部で12台ありますが、順を追ってご紹介してまいりたいと思います。いつもは定番のアラジンから…ですが、今年は最も問い合わせの多い「ニッセン」からいきます。ニッセンといいましたら、現在では通販大手のニッセンを思い浮かべる人がほとんどかもしれませんが、日本船燈株式会社という会社が作っている石油ストーブです。現在はゴールドフレーム(フリージア)のみしか製造していませんが、古いタイプにはいろいろありました。なおこの会社のホームページには、芯の交換の仕方や付属説明書ファイルなどとても親切に載っていますので是非ご参考いただきたいと思います。また本体が廃番のタイプも、芯は在庫で取り扱いがありますので、安心して使うことができます。ニッセンの大型タイプは群を抜いて暖かいですので、関東以北では根強い人気の機種です。
現在店頭にあるニッセンの大型タイプは以下の2機種。

ニッセンのストーブながらこの機種は東芝(東京芝浦電気株式会社)が販売していたストーブです。本体がクリーム色、タンクが茶、底板が黒。

天板は無傷で美品です。

油量計もわかりやすい表示。

型番はKSW?572。タンク容量6.1リットル。タンク容量が大きいほど熱量も大きくなります。SSタイプが最も大きなタイプとなりますが、これはそれよりも少し熱量が落ちます。おおよそ現在の家屋では暖房範囲が4.5畳から20畳くらいまで。ほかの外国製ストーブと違いまして、芯の上下で暖房範囲が調整できるのが特徴です。
非の打ちどころのない完璧なストーブのように思えますが、このストーブのネックともいえるのが耐震消火装置の仕様。アラジンストーブと違って少し面倒です。

地震や転倒などが起きたときに自動的に消化する装置がついていますが、ガチャン!という大きな音がして、芯が下に落ちます。その芯を付属の棒を使って引き上げなければなりません。

上まで引っぱり上げると、カチャンといって一段上でとまります。

この状態で芯を繰り出して点火します。
こうした動作は写真だけでは伝えづらく、また少々のコツがいりますのでお買い求めくださるお客様には店頭で練習していただいております。できるまで何度でも…。好きになる人は、こういうひと手間までもが魅力と感じるのですが、興味のない人には無駄な作業に思えます。

そして、より大きいほうのニッセンSS-1型。ボディがクリーム色、タンクが赤で底板がシルバーグレーです。

容量7リットルで暖房範囲は4.5畳から24畳。普通のストーブ2台分の暖かさです。

天板は、琺瑯のはがれはないものの、若干の錆あり。

上の茶タンクにしろ赤タンクにしろ、配色が見事。美味しそうですらある。一点、点火時のコツがあって、芯に着火するときにアラジンなどは一か所または2か所ですぐに火が一周しますが、ニッセンの場合は3か所均等に着火してなるだけ早く蓋をします。悠長にしていると、この時点で煤が出やすいのです。慣れれば簡単なことですが注意が必要です。
ニッセンは安心の?国内メーカーでありますので、芯の確保も今のところ容易です。また本体のデザインと配色が独特で魅力があります。また、唯一の暖房範囲の調整が効くということは、芯の稼働域が広いということでして、不完全燃焼の状態に陥り難いです。芯を下げ過ぎるとすぐに嫌なにおいを発しますし、上げ過ぎるとモクモクと煤が出ます。パーフェクションなどと違って、正常燃焼の状態が把握しやすいので石油ストーブ初心者にも扱いやすいでしょう。