電池式振り子時計のはなし

古道具の時計、といえば。木目調のゼンマイ式振り子時計をイメージする方が多いと思います。が、当店ではそれよりももうちょっとあたらしい昭和30年から45年くらいに製造されていた電池式振り子時計を多く扱っています。

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たとえば、これ。NBC?201型。昭和30年代に製造されたナショナル電池式振り子時計。

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本来は、毎時オルゴールが鳴るものですが、ちょっと調子が悪いようです。

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よくある電池式よりも少し小さめのつくりで、なで肩滑らかなフォルムの時計です。色も灰緑色で、のっぺりした質感がステキ。


この、振り子式電池時計の特徴は、とにもかくにも電池で動くということ。それ以前の柱時計はみな、ゼンマイを定期的に(多くは週に一回)手動で巻かなければならなかったのに、トランジスタを搭載した画期的な時計は、乾電池一個で一ヶ月から一年は何もしなくても動いてくれるすごい時計でした。

実際に、今でもこの手の時計を動かしてみてもほとんど誤差がないものが多く、精巧なつくりに目を見張りますし、時打ちやカレンダー機能がついているものや定時にオルゴールのなるものなど様々な工夫が凝らされています。なくなってしまったのが惜しい。

主な製造会社はセイコー社がソノーラ、松下電器がナショナルバッテリークロック、東芝もトランジスタ時計として発売しています。クォーツが発売されるとぱったりと姿を消してしまったものたちですが、デザインも性能も今の時計にはない作り手の遊び心や余裕を感じさせます。

すべて分解清掃、ガラスもぴかぴかに磨き上げて店頭に並べております。ゼンマイ式を巻くのが面倒な人や、時打ちの音が気になる人、独特の色、デザインが好きな方。きっとあなた好みの一台が見つかることだと思います。
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