2017/01/14
アラジンストーブの修理
ストーブ修理の実例、第3弾です。去年の年末に承ったアラジンストーブですが、これは手強かったです。


タンクに灯油を入れたまま倉庫で10年放置。使ってみようかなと思って取り出したものの、レバーを回しても芯が全く動かないという状態です。古い灯油を入れたままの状態で長期間置いておくと、いわゆる芯と筒の固着が起きます。一番右の写真のように芯と金属部分がべったりとくっついたまま取れなくなってしまう現象です。



特殊な溶剤で固まった油を溶かしてから、専用のナイフで物理的に剥がしていきます。ここでかなりの時間を要します。力任せに剥がすと筒が歪みますので慎重に…

左が新品の芯、右が固着していた芯。真っ黒です。



芯の繊維がこびりついているので、ヤスリをかけます。


左の写真の茶色い液体はタンク内の古い灯油です。新しい灯油を入れて何度も洗浄します。右側の写真、下から1回目、2回目、3回目、4回目でやっと無色透明の灯油になります。



ブラシでタンク内を丁寧に洗います。ちなみに今回はタンク内から写真上のような物体が出てきました。給油ポンプの先っちょです。タンク内への異物混入は案外多いです。皆さんも気をつけましょう。

そのほかのパーツも全て分解して洗剤で洗い、丁寧に乾かします。


白っぽくなったマイカ(のぞき窓)も新品に交換。

もちろん芯も新品に交換。


こんなに綺麗になります。


再度組み立てて終了。完全燃焼を確認します。
今回の整備費用は、基本の分解整備、替え芯、マイカ2枚、タンク洗浄の料金の合計で12280円(税別)です。
芯が上がらすにっちもさっちもいかない、という場合でも諦めずご相談ください。アラジンストーブはきちんとメンテナンスすれば末長くお使いいただけます。古道具のささやでは、日本全国から宅配での修理および整備を承っております。詳細は新しいウェブサイトをご覧ください→ furudougunosasaya.com