アラジンストーブ修理の実例39型

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ストーブ修理の実例、第3弾です。最も普及しているアラジンストーブでしょう。シリーズ39(39型)のグリーンです。お預かりした時の状態がこちら。タンクに灯油を入れたまま倉庫に10年放置してあったものです。だいぶ重症です。

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 久しぶりに使ってみようかなと思って取り出したものの、レバーを回しても芯が全く動かないということでした。タンクに灯油を入れたままの状態で長期間置いておくと、いわゆる芯と筒の固着が起きます。写真のように芯と金属部分がべったりとくっついたまま取れなくなってしまう現象です。


P_20161121_092524.jpegP_20161121_093225_1.jpegP_20161121_093455.jpeg特殊な溶剤で固まった油を溶かしてから、専用のナイフで物理的に剥がしていきます。この作業は、かなりの時間を要します。力任せに剥がすと筒が歪みますので少しずつ剥がしていきます。


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右が新品の芯、右が固着していた芯。真っ茶色です。


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筒に芯の繊維がこびりついているので、綺麗にやすりで磨いていきます。


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タンク内に入っていた10年ものの灯油。新しい灯油は無色透明ですが、10年でここまで変色します。


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右から1回目、2回目、3回目、タンク内を4回洗浄してやっと綺麗になりました。


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2回目の洗浄でタンク内から出てきたのは、給油ポンプの先端。タンク内への異物混入は思いのほか多いです。


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様々なブラシを使ってタンク内を洗います。


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そのほか、一旦全てのパーツを分解してから洗浄、研磨します。


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白っぽくなったマイカも交換します。


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芯周りのビフォー、アフター。


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再度組み立てて、芯を交換して完了。完全燃焼を確認します。 今回の整備費用は、基本の分解整備、タンク洗浄、芯の固着はがし、替え芯、マイカ2枚、の料金の合計で21750円(税込)です。 

 芯が上がらすにっちもさっちもいかない、という場合でも諦めずにご相談ください。アラジンストーブはきちんとメンテナンスすれば末長くお使いいただけます。古道具のささやでは、日本全国から石油ストーブの修理および整備を承っております。詳細はこちらをご覧ください→https://antiquesasaya.com
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