石油ストーブ修理の実例、その2。

P_20161105_151440.jpeg具体的なアラジンストーブの整備例その2、です。 今日はアラジンストーブシリーズ39(39型)ブラックの場合をご紹介します。持ち込まれた時の状態がこちら。購入から12年、見た目は綺麗なように見えます。

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点火すると部分的に炎がオレンジになる状態です。こういう場合は、芯が消耗しているので新しい芯に交換が必要です。芯の交換だけならアラジンのHPにも詳しく載ってますし、通販で購入できる替え芯にも交換方法の説明書が入っています。手先が器用な方ならご自分でなさっても良いと思います。その際は必ず芯交換とともに芯回りのお掃除もしてください。


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一見綺麗に見えるこのストーブでも、中にはこのように埃が詰まっています。アラジンストーブは対流式のストーブなので空気を下から吸い込んで上に吹き出すように対流させます。その時にどうしても埃を吸い込んでしまいますので埃のお掃除は必須です。


P_20161106_070643.jpegオレンジの火が出ている時点で、このように煤も出ています。


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ここで問題になるのが、以前のアラジンストーブにはついていなかった排ガス浄化触媒。通常、天板を取ると筒の中が空洞になっているのですが、このストーブに関しては触媒部分が邪魔になり中が見えません。お掃除する場合もこれを外さねばなりません。日常的なお手入れは前提としていない構造になっています。


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触媒を外してやっと筒の中が見えます。底の淵に埃と動物の毛がたっぷり溜まっています。普段どんなに綺麗にお掃除をしているご家庭でも、犬猫がいると抜け毛を吸い込んでしまいます。ペットを飼っているアラジンストーブユーザーのかたは特に定期的なお掃除を心がけるようにしてください。 


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全てのパーツを分解して洗剤で綺麗に洗います。


P_20161106_081526.jpeg タンク内も綺麗な灯油で洗浄します。今回のストーブは毎年新しい灯油を使ってありましたが、それでもタンク内にはこれだけゴミが混入しています。たったこれくらい、と思うかもしれませんが、青い炎の中にパチパチっとオレンジの火花が散るように燃えるのはこのようなゴミが原因です。またそのような燃焼を続けると芯が傷みますので一度タンク内を洗浄した方が良いです。


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 再度組み立て、新しい芯に付け替えて、正常燃焼。 今回の整備費用は、基本の分解整備、タンク洗浄、替え芯、の合計で15750円(税込)です。

アラジンブラックは、通常の39型(グリーンとアイボリー)とは構造が異なります。複数箇所の部品を外さないと埃が取りづらいので一般家庭での日常のお手入れとしては少し難しいと思います。手に負えなければ定期的に専門業者にお願いすることをお勧めします。 古道具のささやでは、日本全国から石油ストーブの修理および整備を承っております。詳細はこちらをご覧ください→https://antiquesasaya.com
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