大入御礼

おかげさまで今年も無事に第3回「漆器まつり」を終了することができました。寒い中、足をお運びくださいました皆様、誠にありがとうございました。今年は他県からのお客様も多く、わたくしが店番をしているおりに、「ブログ書いてる人ですよね!」などのお声かけをいただきまして誠にうれしく思います。

弊店は古道具屋ですから、合成漆器はデッドストックのものがほとんどですが、木製漆器の方は幕末から明治、大正、昭和のものが主です。

お椀ひとつとってみても古いものは圧倒的に高度な技術で作られています。木地自体も縁に行くにしたがってかなり薄く挽いてありますし、同じ椀でもひとつひとつの柄がのびのびと描かれ、すべて少しずつ異なります。一方、近年の椀になると木地は均等に厚く挽いたものが多く、5つ組でも寸分違わずプリントのような絵付けがしてあります。きれいにそろった完璧な商品を求める消費者のニーズによるのでしょう。

また、古い輪島塗の椀などは、まれに椀の底にちりめん皺のようなものが寄っていることがあります。漆が渇く際に縮んだものですが、これは漆が濃く強いということの証でもあります。昨今のコスト優先の油で薄めた中国製の安価な漆では、このようなことにはなりません。新品と比較すれば難点ともとれる部分ですが、古いものの証を趣として楽しんでいただければと思います。


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白いご飯は、黒漆塗り椀で食べるのが一番おいしいと確信しています。より多くの皆様の食卓に漆器が並びますように!


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