有田焼と伊万里焼

おかげさまで第3回「和食器まつり」も盛況でございます。先の二日間に2回、3回とお越しくださったお客様もいらっしゃいましてありがたいことです。なんでこんなに安いんですか?と聞かれることも多いのですが、当店といたしましては日頃のご愛顧への感謝祭のようなつもりでご提供しております。また安いからと言ってキズものやB品ではありません。昭和のものはほとんどがデッドストックのものですし、明治・大正のものも割れ、欠け等のないもののみをごよういしております。安心してお求めくださいませ。存分にお買い物を楽しんでいただけましたら幸甚です。

あくまで日常のための食器ですので古美術上の分類名称などは必要なく、好きなものを選んでいただけましたらそれが一番だと思っておりますが、以下に商品の紹介を兼ねて簡単に解説をしたいと思います。すでに完売したものも含みますのでご了承くださいませ。




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「伊万里」といえば「染付(そめつけ)」というくらいポピュラーなものです。白地に呉須(ごす)で文様を描いた磁器で、焼成後美しく青い発色となります。白と青のコントラストは見飽きることがありません。
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石榴(ザクロ)の文様。石榴は江戸時代から親しまれた古典園芸植物でもあります。また種子の多さから豊穣、子宝の意匠としてなじみのあるものです。一枚600円也。
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一見モダンなデザインながら古い意匠の角鉢。一枚400円也。
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宝尽くしのなかの丁子(ちょうじ)の意匠が底にあります小鉢。
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豆皿。
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盃を洗うための「杯洗」。
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底面には金魚が3匹。水を張ると泳いでいるかのように見えます。1500円也。
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唐子柄の染付。
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お皿の周囲を8分割して文様を描いたものを「芙蓉手(ふようで)」と呼びます。お花の芙蓉の花弁の様に見えるところからでしょうか。
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源右衛門。
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源右衛門でおなじみの梅柄。200円~。あんまり安いので「これってウソ右衛門ですか?」と聞かれることがありますが、ホンモノです。
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ごくごく薄手の徳利と猪口。器の内側まできちんと絵が描かれています。どうやって描くんだろ…と思います。
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モダーンな鉢。
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これは知ってる、という方も多いかもしれません。
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地図皿。1尺の大皿です。
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実直なレプリカです。バブル期に出まわったものと推定されます。3000円也。



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鳳凰のいげ皿。1尺の大皿。

「いげ」とはイガイガのイガと同義のことばのようです。お皿の縁がギザギザしていて、鉄釉と呼ばれる茶色の釉薬がかかっています。

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いげ皿は大正時代に主に生産され、印判(いんばん)=スタンプがほとんどです。印判=量産品ということですkれども、最近若い女性で印判好きな人が増えている気がします。1000円也。
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いげ皿の5寸皿。
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同じくいげ皿の4寸皿。ともに一枚100円也。
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舟形の印判皿。
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牡丹に雀に稲穂に琳派と意匠ずくめの印判皿。






最後に聞かれることの多い「伊万里焼」と「有田焼」の違いについて。書籍でもネットでも諸説分かれるようですが、主張する人の職業、立場(美術史家、骨董屋、有田の陶工など)によって言い分が変わるのかもしれません。伊万里港から出荷されたので「伊万里」というのが一般的ですが、地元では江戸時代から「有田焼」と呼んでいたとの説もあります。個人的には、モノはおなじものであるけれども「古伊万里」と呼んでも「古有田」とは言わないので幕末~明治までの焼き物は「伊万里」もしくは「伊万里焼」のほうが名前の通りが良いと思います。戦後の焼物はほとんどが有田焼の名称で呼ばれていますね。
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