石油ストーブの修理と整備、ニッセンフリージア編。

今年はニッセンのストーブ、とても人気がありますね。インスタ映えするのでしょうか…


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今回お預かりしたのはニッセンのIS3、フリージアです。5年前にも弊店で芯交換したものです。そろそろススが出だしたので芯交換と分解整備にて再び承りました。


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結構なスス。アラジンストーブの場合は、燃焼時の炎が青であればススが出るということはありませんが、燃焼時に炎がオレンジのもの、例えばニッセンのストーブ各種や米国のパーフェクションなどは、正常燃焼時でも炎がオレンジなので色では判断ができません。芯がなくなってくれば少しづつススが出るようになります。天板等を拭いてみて黒くないかどうか、また使っているお部屋の四隅が黒ずんできていないか、定期的にチェックしましょう。


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全体に分解して洗浄、芯交換をします。

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再度組み立てて出来上がり。ガラスホヤが美しいです。小ぶりなストーブですので、暖まりすぎることなく気密性の高いマンションのお部屋ではちょうど良いでしょう。今回の整備は、基本の分解整備料と芯交換で合わせて5000円となります。ご参考くださいませ…

石油ストーブの修理と整備、フジカペット編。

去年末から年をまたいでお預かりしていたフジカペットKSP-222。間違いなく去年一年間の中で一番手強いストーブでした。


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久留米のお客様からのご依頼で、ヤフオクにて落札したストーブだと言うことでした。持ち込んで頂いた時は外装を綺麗に磨いてくださっていたのでメッキ部はピカピカです。さほど状態は悪いように見えませんが…点火時にものすごく嫌な臭いがするということでした。

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まず分解して少量の灯油でタンク洗浄。タンク内のサビと灯油が固まったタール状になり真っ茶色。これでは異臭がするのも無理はありません。

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そして洗浄時にタンクの底から勢いよく灯油が漏れてきました。タンクに結構な大きさの穴。落札したお客様はご存知なかったようです。出品時に記載がなければ確信犯でしょう。タンク穴の修理をしてくれるところは少ないですのでオークションでストーブを購入する方は注意した方がいいと思います。

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特殊な薬剤を使ってのタンク洗浄を行うもサビが層になっていて全く取れませんでした。なのでまた別のサビ取り剤(これが結構高価)を使って徹底洗浄。

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さらに細いヘラでサビの層を剥がし、乾燥させます。


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ここまで綺麗になります。

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タンク穴の方は、穴を外からハンダで埋めさらに上からパテ状のコーティングをして塞ぎます。裏面で通常見えない場所であり塗装は色合わせせずタッチアップで対応させていただきました。

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さらにタンク内側はサビを剥がしたことで薄くなっている部分があるため、タンクシーラーでコーティング。乾燥に4日かかります。(ここで年を越す)


通常はこれでできあがりなのですが、完成後点火すると、まだ嫌な臭い。芯とタンク内は完全に綺麗なのでどうもおかしいと思ったら…

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天板をのせる台座部分が再塗装されています。よくみるとラッカースプレーでシルバーに塗っています。高温になる部分に耐熱でない塗料を使うと臭いの原因になりますので絶対ダメです。これもヤフオク出品者の仕業です。

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ペーパーとコンパウンドで塗装を剥がします。最後にシンナーで脱脂。再度組み立てて点火。異常なしで整備完了。



今回の整備は…分解整備基本料、タンク洗浄、芯交換、油量計交換、パッキン交換、タンク穴ピンホール修理、タンク内サビ取り、タンク内コーティング、ラッカー塗装剥離、以上の合計で30780円です。通常は用いない薬剤を2種使いますのでかなり高額になります。ヤフオクで石油ストーブを購入しようと思っている人はどうぞ心して落札してくださいね…




*灯油タンクのピンホール修理は時間がかかりますので4月以降のオフシーズンに承ります。