石油ストーブの修理と整備、バーラー編。

あっという間に11月も終わりです。今日のストーブは、英国製のバーラー207です。10年ほど前に某アンティークショップでご購入後、点火すると匂いがかなりきつい為そのまま10年放置。灯油は入ったまま…という状態のストーブです。


P_20171119_083859.jpg P_20171119_083916.jpg
クリーム色の外観が珍しいですね。10年放置というだけあってなかなかに…

P_20171119_083951.jpg P_20171119_083939.jpg P_20171119_083904.jpg P_20171119_093309.jpg
かなりのホコリとススとサビ。

P_20171119_084258.jpg
しかしもっと怖いのはタンクの中。タンク洗浄時に出てきた灯油は黄色を通り越して緑色。

P_20171119_100211.jpg
さらにタンクの底に溜まったヘドロのような物体。通常は1回で済むタンク洗浄も今回は特殊な薬剤を使って繰り返すこと3回。

P_20171119_084130.jpg P_20171119_084153.jpg
芯も固着しており、真っ黒に変色していました。全ての部品を外して洗浄、芯も交換します。






P_20171119_113016.jpg P_20171119_113029.jpg
そしてこちらが分解整備出来上がり。綺麗なブルーファイヤーになりました。正しい状態で使えば石油ストーブの匂いは微々たるものですが、お客様曰く、買った時から燃焼時は炎がオレンジでかなりの異臭がしたということですので、おそらく購入時には古い灯油が入っていて芯も古いままだったと思われます。


今回は基本の分解整備、タンク洗浄3回、外炎板の周りのホコリとサビを綺麗に落として芯を新しいものに交換。合計で10600円となります。ご参考くださいませ。






アラジンストーブの修理と整備、39型編。

師走も近づいて寒くなってきました。マンション住まいの方もそろそろ石油ストーブの準備を…


P_20171116_082434.jpg P_20171116_082438.jpg P_20171116_082454.jpg
本日整備でお預かりのストーブは、アラジンの39型アイボリーです。ご自分で芯交換をされたあと、うまく燃焼しないのでお持ち込みと相成りました。外観はけっこうなホコリ汚れ、マイカに傷み、燃料メーターの不具合、つまみの空回りなど問題山積です。


P_20171116_082441.jpg
タンク右側のホコリべったりは、説明書きのシールをはがした後にホコリがくっついたものです。使用に関する注意などが書いてありますので、本来は剥がさない方がいいのですが、おしゃれではないのでどうしてもはがしたいと言う場合は、洗剤やメラミンスポンジでシール残りのベタベタを取ってください。

P_20171116_082448.jpg
つまみの空回り、アラジンの場合多い事案です。プラスチック部品なのでどうしても強い力が加わったり経年劣化などで中の爪が割れやすくなります。今回は芯出力バネも紛失していました。ニッチリッチキャッチなどで交換部品は手に入りますので、この部分だけが壊れた場合などはご自分で取り寄せて交換することもできると思います。

P_20171116_082500.jpg P_20171116_082503.jpg P_20171116_083436.jpg
サビ、スス、出てます。

P_20171116_083430.jpg P_20171116_084232.jpg
芯を新しいモノに変えたのに正常燃焼しないと言う場合、タンク内に問題がある場合が多いです。一番多いのは水の混入です。今回もそうです。写真左の透明の灯油の中に沈んでいる茶色い液体が水です。マンションのベランダやデッキなどに灯油タンクを置いて給油ポンプを差したままの状態で保管している場合は注意です。雨水の混入や、温度差によるタンク内の結露で水が混入します。できれば灯油は屋内保管が理想です。水の混入した灯油で点火すると、最初は青い火で燃えますが、15分くらいするとオレンジの火になってしまいます。

P_20171116_095740.jpg
芯は新しいモノに交換されていましたが、一旦水入りの灯油を吸ってしまった芯は使えないので残念ながら再び交換になります。

P_20171116_093706.jpg P_20171116_083326.jpg
燃料計は分解掃除して浮きがきちんと動作するようにします。その他の部品も全て分解洗浄。


P_20171116_105614.jpg
再び組み立てて完成。今回は基本の整備料+タンク洗浄+見えづらくなっていたマイカの交換+割れていたつまみの交換+紛失していた芯出力バネを装着。すべて合計で12700円です。ご参考くださいませ。

第6回「漆器まつり」開催のお知らせ

不定期開催となりました「漆器まつり」2年振りの開催です。毎日使えるシンプルな器から、お正月など晴れの日の什器まで、古道具ならではのお求めやすい価格にてご提供いたします。次回の開催は未定ですのでこの機会をお見逃しなく…

   第6回『漆器まつり』

期間 平成29年12月2日(土)から10日(日)まで

場所 古道具のささや
   福岡市中央区平尾1−12−2
   (期間中も月曜定休)

電話 092−531−4373
   (午後2時より7時迄)





以下、前回と同じ文章ですが「漆器まつり」が初めての方はご一読の上ご参加ください。弊店における漆器所感です。

続きを読む

アラジンストーブの修理と整備、15型デラックス編。

本日のストーブは、アラジンの15型デラックス。覗き窓が両側にあるタイプです。これは2011年の消費生活用品安全法が施行される前に弊店でお買い上げ頂いたストーブです。


DSCN5398.jpg DSCN5399.jpg DSCN5400.jpg DSCN5401.jpg DSCN5402.jpg
3年ほど使っていなかったそうですが…結構状態は悪いですね。マイカは何かにぶつけたりすると屈折して中がよく見えなくなりますから気をつけてください。タンクも凹んでますしね。

DSCN5403.jpg DSCN5404.jpg DSCN5405.jpg
DSCN5406.jpg DSCN5407_2017111714122695d.jpg DSCN5408_2017111714122742a.jpg
中もこの通り。ススとタール状の汚れがべったり。ペットを飼ってておられるようで、案の定筒の中には動物の毛。

DSCN5412_20171117141228ca6.jpg DSCN5419.jpg
タンク内には黄色く変色した古い灯油。右の写真はタンクの底側ですが、ペットの毛に給油時の灯油の漏れたものがくっついて焦げています。給油時に灯油が垂れたら、雑巾などでこまめに拭いてくださいね。ポリタンクの横にでも専用の雑巾を置いておくとお掃除が楽です。


DSCN5417.jpg P_20171104_092224.jpg
全てのパーツを分解して洗浄。タンク内も特殊な薬剤で洗浄。そしてマイカと芯は新品に交換。


DSCN5422.jpg
再度組み立てて、完成。正常燃焼です。今回の整備代金は合計で12300円です。日頃こまめにお掃除してくださればここまで汚れることもないので、ぜひ芯回りのホコリ取りと外観の拭き掃除は習慣化していただきたいです…




石油ストーブの修理と整備、ニッセン編。

立冬を過ぎたものの、まだまだ日中は暖かい日が続いております。15日の水曜日からぐっと寒くなるそうですが…本日は、ニッセンの石油ストーブKS-5の整備についてのご紹介です。



P_20171104_080917.jpg
ヤフーオークションでお求めになったそうで、外側は綺麗にしてあります。逆に綺麗に見える物ですから、下手したらこのまま使ってしまう人もいるかもしれません。

P_20171104_080923.jpg P_20171104_080936.jpg
ほやの内側が真っ黒ですからススがかなりでてます。不完全燃焼してます。

DSCN5386_20171112170648082.jpg DSCN5387.jpg
これも一見綺麗なようで…ホヤ受けの中の、ホヤ受け網にホコリがびっしりと付着してます。

DSCN5391.jpg 
タンク内にも灯油が残ってましたので、出してみましたら案の定茶色く変色してますので、数年間は使われないまま置いてあったようです。こうなるといくら芯の残量があっても古い灯油を吸って駄目になってますので、タンク洗浄と芯交換が必須になります。

P_20171104_081223.jpg DSCN5389_20171112171013810.jpg
バラバラに分解して全ての部品を洗浄。タンク内も特殊な薬剤で洗浄。

DSCN5393.jpg
芯を新しくして組み立てれば仕上がり。表面的にはさほど変わりませんが、買ったままの状態では使えません。もし新しい灯油を足して使ったりすればかなりの異臭とともに真っ黒いススでお部屋も真っ黒になります。

DSCN5396.jpg
ニッセンはアラジンと違って正常燃焼時でも炎がオレンジなので、正常に燃焼しているかどうかは匂いやススの状態で判断します。


P_20171104_080936_2017111217153115e.jpg→→→DSCN5394.jpg
ホヤの中が琺瑯のクリーム色である方が正常です。ススが出ていれば、不完全燃焼燃焼しているということになりますので、お手入れが必要です。最初は少しずつススも出てくるので、いつのまにかお部屋の四隅がうっすらとすすけてきていたら注意です。どうぞ石油機器技術管理士のメンテナンスを受けてください。


あと最近気になること…

続きを読む