石油ストーブの修理と整備、バーラー編。

あっという間に11月も終わりです。今日のストーブは、英国製のバーラー207です。10年ほど前に某アンティークショップでご購入後、点火すると匂いがかなりきつい為そのまま10年放置。灯油は入ったまま…という状態のストーブです。


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クリーム色の外観が珍しいですね。10年放置というだけあってなかなかに…

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かなりのホコリとススとサビ。

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しかしもっと怖いのはタンクの中。タンク洗浄時に出てきた灯油は黄色を通り越して緑色。

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さらにタンクの底に溜まったヘドロのような物体。通常は1回で済むタンク洗浄も今回は特殊な薬剤を使って繰り返すこと3回。

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芯も固着しており、真っ黒に変色していました。全ての部品を外して洗浄、芯も交換します。






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そしてこちらが分解整備出来上がり。綺麗なブルーファイヤーになりました。正しい状態で使えば石油ストーブの匂いは微々たるものですが、お客様曰く、買った時から燃焼時は炎がオレンジでかなりの異臭がしたということですので、おそらく購入時には古い灯油が入っていて芯も古いままだったと思われます。


今回は基本の分解整備、タンク洗浄3回、外炎板の周りのホコリとサビを綺麗に落として芯を新しいものに交換。合計で10600円となります。ご参考くださいませ。






アラジンストーブの修理と整備、39型編。

師走も近づいて寒くなってきました。マンション住まいの方もそろそろ石油ストーブの準備を…


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本日整備でお預かりのストーブは、アラジンの39型アイボリーです。ご自分で芯交換をされたあと、うまく燃焼しないのでお持ち込みと相成りました。外観はけっこうなホコリ汚れ、マイカに傷み、燃料メーターの不具合、つまみの空回りなど問題山積です。


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タンク右側のホコリべったりは、説明書きのシールをはがした後にホコリがくっついたものです。使用に関する注意などが書いてありますので、本来は剥がさない方がいいのですが、おしゃれではないのでどうしてもはがしたいと言う場合は、洗剤やメラミンスポンジでシール残りのベタベタを取ってください。

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つまみの空回り、アラジンの場合多い事案です。プラスチック部品なのでどうしても強い力が加わったり経年劣化などで中の爪が割れやすくなります。今回は芯出力バネも紛失していました。ニッチリッチキャッチなどで交換部品は手に入りますので、この部分だけが壊れた場合などはご自分で取り寄せて交換することもできると思います。

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サビ、スス、出てます。

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芯を新しいモノに変えたのに正常燃焼しないと言う場合、タンク内に問題がある場合が多いです。一番多いのは水の混入です。今回もそうです。写真左の透明の灯油の中に沈んでいる茶色い液体が水です。マンションのベランダやデッキなどに灯油タンクを置いて給油ポンプを差したままの状態で保管している場合は注意です。雨水の混入や、温度差によるタンク内の結露で水が混入します。できれば灯油は屋内保管が理想です。水の混入した灯油で点火すると、最初は青い火で燃えますが、15分くらいするとオレンジの火になってしまいます。

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芯は新しいモノに交換されていましたが、一旦水入りの灯油を吸ってしまった芯は使えないので残念ながら再び交換になります。

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燃料計は分解掃除して浮きがきちんと動作するようにします。その他の部品も全て分解洗浄。


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再び組み立てて完成。今回は基本の整備料+タンク洗浄+見えづらくなっていたマイカの交換+割れていたつまみの交換+紛失していた芯出力バネを装着。すべて合計で12700円です。ご参考くださいませ。

第6回「漆器まつり」開催のお知らせ

不定期開催となりました「漆器まつり」2年振りの開催です。毎日使えるシンプルな器から、お正月など晴れの日の什器まで、古道具ならではのお求めやすい価格にてご提供いたします。次回の開催は未定ですのでこの機会をお見逃しなく…

   第6回『漆器まつり』

期間 平成29年12月2日(土)から10日(日)まで

場所 古道具のささや
   福岡市中央区平尾1−12−2
   (期間中も月曜定休)

電話 092−531−4373
   (午後2時より7時迄)





以下、前回と同じ文章ですが「漆器まつり」が初めての方はご一読の上ご参加ください。弊店における漆器所感です。

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アラジンストーブの修理と整備、15型デラックス編。

本日のストーブは、アラジンの15型デラックス。覗き窓が両側にあるタイプです。これは2011年の消費生活用品安全法が施行される前に弊店でお買い上げ頂いたストーブです。


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3年ほど使っていなかったそうですが…結構状態は悪いですね。マイカは何かにぶつけたりすると屈折して中がよく見えなくなりますから気をつけてください。タンクも凹んでますしね。

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中もこの通り。ススとタール状の汚れがべったり。ペットを飼ってておられるようで、案の定筒の中には動物の毛。

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タンク内には黄色く変色した古い灯油。右の写真はタンクの底側ですが、ペットの毛に給油時の灯油の漏れたものがくっついて焦げています。給油時に灯油が垂れたら、雑巾などでこまめに拭いてくださいね。ポリタンクの横にでも専用の雑巾を置いておくとお掃除が楽です。


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全てのパーツを分解して洗浄。タンク内も特殊な薬剤で洗浄。そしてマイカと芯は新品に交換。


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再度組み立てて、完成。正常燃焼です。今回の整備代金は合計で12300円です。日頃こまめにお掃除してくださればここまで汚れることもないので、ぜひ芯回りのホコリ取りと外観の拭き掃除は習慣化していただきたいです…




石油ストーブの修理と整備、ニッセン編。

立冬を過ぎたものの、まだまだ日中は暖かい日が続いております。15日の水曜日からぐっと寒くなるそうですが…本日は、ニッセンの石油ストーブKS-5の整備についてのご紹介です。



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ヤフーオークションでお求めになったそうで、外側は綺麗にしてあります。逆に綺麗に見える物ですから、下手したらこのまま使ってしまう人もいるかもしれません。

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ほやの内側が真っ黒ですからススがかなりでてます。不完全燃焼してます。

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これも一見綺麗なようで…ホヤ受けの中の、ホヤ受け網にホコリがびっしりと付着してます。

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タンク内にも灯油が残ってましたので、出してみましたら案の定茶色く変色してますので、数年間は使われないまま置いてあったようです。こうなるといくら芯の残量があっても古い灯油を吸って駄目になってますので、タンク洗浄と芯交換が必須になります。

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バラバラに分解して全ての部品を洗浄。タンク内も特殊な薬剤で洗浄。

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芯を新しくして組み立てれば仕上がり。表面的にはさほど変わりませんが、買ったままの状態では使えません。もし新しい灯油を足して使ったりすればかなりの異臭とともに真っ黒いススでお部屋も真っ黒になります。

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ニッセンはアラジンと違って正常燃焼時でも炎がオレンジなので、正常に燃焼しているかどうかは匂いやススの状態で判断します。


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ホヤの中が琺瑯のクリーム色である方が正常です。ススが出ていれば、不完全燃焼燃焼しているということになりますので、お手入れが必要です。最初は少しずつススも出てくるので、いつのまにかお部屋の四隅がうっすらとすすけてきていたら注意です。どうぞ石油機器技術管理士のメンテナンスを受けてください。


あと最近気になること…

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「きものまつり」開催中

ポッキーの日であり、もやしの日であり、チンアナゴの日でもある、11月11日より「きものまつり」好評開催中でございます。


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普段着用の紬や小紋から作家物の訪問着まで幅広く取り揃えております。見事な辻が花のお振袖、友禅の黒留袖や時節柄、七五三用の四つ身(男児用、女児用)のお着物などもございます。寸法の良し悪しや帯合わせなどわからないことがありましたらご遠慮なくお尋ねくださいませ。またゆったりとした試着スペースを用意しておりますので普段は袖を通さないようなものでもこの機会にぜひ色々とお試しください。




      「きものまつり」

会場     きものあとりえ ちさや
       福岡市中央区警固2丁目12-12

開催日    11月 11日(土)、12(日)、25(土)、26(日)
       12月 9(土)、10(日)、23(土)、24(日)

営業時間   13:00〜18:00

お問い合わせ 古道具のささや 092-531-4373



*ご好評による品薄につき、会期日程を短縮させていただきます。
 最終日は12月9日(土)となります。

*会場は「古道具のささや」ではなく「きものあとりえちさや」さんです。
 女性用のお召し物のみの取り扱いです。


つきましては、お客様にゆっくりと商品を選んでいただくために、招待状をお持ちの方のみのご入場に限らせていただきますご入場をご希望の方は「古道具のささや」店主までお申し出くださいませ。店頭にてご招待状をお渡しいたします。お一人様1枚のお渡しとさせていただきますが、ご招待状の数にも限りがありますのでご興味をお持ちの方はどうぞお早めにお申し出くださいませ。


アラジンストーブの修理と整備、39型編。

朝晩が冷えるようになり、全国から続々と石油ストーブの修理のご依頼をいただいております。今現在、一番たくさん出回っているであろうアラジンストーブの39型の整備です。



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古いものではないので外観の状態は良いのですが、タンクに灯油が入ったまま3年ほど放置してあったそうで、芯が固着してしまい、レバーが回らない状態です。たとえ新品のストーブを購入してもタンク内に灯油を入れたまま1年以上置いておくと、芯を交換しなければなりません。また今回のように芯が固着してしまうと、一般の方では芯交換すらできないと思います。

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若干のスス、芯周りの汚れ、ホコリ、マイカの傷みがあります。

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タンク内を洗浄します。右側の写真を見ていただくとわかりますが、本来灯油は無色透明です。3年でこれくらい黄色い灯油に変質します。


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左が新しい芯、右が古い芯。残量がたくさんあったとしても、一度古い灯油を吸い込んでしまった芯は使えません。ですので一番避けていただきたいのは、タンクに古い灯油が入っているにもかかわらず、ご自分で芯だけ新しいものに交換することです。せっかくの芯が無駄になりますので、タンクを洗浄してから芯交換をしてください。

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全ての部品を洗浄、筒まわりはさらにヤスリで磨きます。



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再度組み立てて完成。外観がほぼ無傷なのでほぼ新品同様に。基本の整備料金+タンク洗浄+芯交換+マイカ交換で合計13300円となります。ご参考くださいませ。