恵比寿様の掛花入、ほか入荷

以下、本日までの入荷分です。





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木製の長机。両サイドの脚がつながっています。サイズは横幅132センチ、奥行き61センチ、高さ65センチ。




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三角型で角へぴったり収まる木製傘立て。省スペース!



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オレンジのデスクライト。クランプ式でどこでもはさめるので狭いところでも便利。





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ナショナルの卓上ライト。蛍光灯の青白い光が落ち着きます。





 
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赤い琺瑯のマグカップとポット。







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大きなフリルのガラス鉢。






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持ち手付ガラス鉢。






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乳白ぼかしのガラス鉢。








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青と緑がらせん状になった大ぶりのガラスコップ。









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花柄のアルマイト皿。






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ぬっぺりした質感のジャノメミシン缶。







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ツルツルでニヤニヤの恵比寿様の陶製掛け花入れ。来年も商売繁盛!




年内の営業は12月25日(日)までですよ。

明治牛乳冷蔵車、入荷

今日は、ブリキのおもちゃです。



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明治牛乳を配送する冷蔵トラック。





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マルサンとハヤシのダブルネーム。共箱付の美品です。

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紙箱からは海外輸出用の雰囲気がただよいますが、トラックにはでかでかと「明治牛乳」、「明治乳業」。反対面は「明治粉ミルク」の記載あり。トラック自体は左ハンドルなので輸出用なのかもしれません。しかし運転席の作りは日本のいすゞ系トラックなので矛盾しているとの指摘もあります。

販促用ではないか?との意見もありますが、車内に冷却フィンがわざわざ作りつけてあることや箱に英語表記がある点などちょっと凝り過ぎな印象もあります。ちなみにフリクションと冷却フィンは連動していて、車が走るとフィンも回ります。ちょっと興奮。

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車体にもネーム刻印あり。

大入御礼!!

無事、第2回「漆器まつり」も終了することができました。ご来店並びにお買い上げくださいましたたくさんのお客様に心より感謝と御礼を申し上げます。明日からは通常営業に戻りますが、年内は12月25日(日)までの営業となります。また商品の入荷もございますので追ってご紹介いたします。

今年は東日本大震災がありまして、福島県会津若松市の会津塗産地など東北地方の漆器産地が地震の被害をうけています。モノを作り続けていくこと、受け継いでいくことがいかに難しいことであるか考えさせられる年でもありました。今回、はじめて漆器を手にとってまじまじと見たというお客様も多数いらっしゃいました。これを機に漆器を使ってみようと思ってくださる方は是非、今現在作り手、担い手として頑張っている人たちから商品を買ってほしいと思います。

また去年のブログエントリーに国産漆と外国産漆の話、そのほか漆のこぼれ話等記載しておりますのでご興味のある方はご覧くださいませ。

変わり塗ほか…

第2回「漆器まつり」もいよいよ明日12月18日(日)までとなります。春慶塗菓子皿など一部商品を追加して開催中です。本日は、変わり塗の技法を使った商品をご紹介します。すでに売約となった商品もございますのでご了承くださいませ。



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宮内庁御用達の坂久(さかきゅ)錦生堂の輪島塗角盆。

下地が丁寧で堅牢さが際立つ輪島塗ですが、加飾(蒔絵や沈金などの装飾)も素晴らしいものです。とくに「最良の品質、最良の意匠」をモットーとする坂久錦生堂の商品は120もの工程を経るものもあります。この角盆も、表面はまるで水を張ったように透き通った艶と、のびやかな金の竹笹模様もかすれたような風情で控えめな美しさをもっています。1万2千円也。







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蘭が錆絵(さびえ)で描かれた色紙箱。

蘭というと開店祝いなどに贈る胡蝶蘭などを思い浮かべる人も多いでしょうが、日本の和蘭の清楚な美しさは漆器とよく合います。錆絵とは、錆漆(砥の粉と漆を練り合わせたもの)をデコレーションケーキのクリームのように絞りだして高く盛り上がった様に塗る技法です。この蘭の絵は顔料をくわえた緑や朱、白など多彩な色使いで描かれています。また、金も蒔かれ花びらの部分は象嵌(ぞうがん)で貝があしらわれています。凝ったつくりのものです。もちろん箱の中も美品で共箱付、3500円也。






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黒と赤の対比が美しい蒟醤(きんま)の茶箱セット。棗、茶筅筒は、共に蒟醤。茶巾筒と振りだしと茶碗は九谷焼です。

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蒟醤というのはもともとタイやミャンマーなどから伝わった技法ですが、沈金と同じように上塗り面に文様を彫り、その凹部に色漆を充填し磨き上げたものです。日本では香川漆器が得意とします。共箱付のセットで1万2千円也。






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島根県松江市、出雲市で生産される八雲塗の変わり丸盆。

カブや大根などの野菜柄の丸盆5枚セットです。もちろん5枚とも柄違い。少し大き目の銘々皿として使うと喜ばれそうです。八雲塗は、文様を彩漆で描いた上に透き漆をぬりますので濃い飴色の下に文様が透けて見える変わり塗です。共箱付5枚セットで3500円也。






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そのほか、蝶に牡丹に鶴の古典的に雅な金蒔絵の4段重箱、1万2千円等の定番商品もございます。明日までの期間中、みなさまのご来店をお待ちしております。

膳と盆の使い道…

今日は北部九州、今年一番の寒気だとか。寒いはずですね。第2回「漆器まつり」も今日を含めあと3日間となりました。すでに2度3度と足を運んでくださった方もありうれしい限りです。


今日は「お盆とお膳」のご紹介です。ご参考くださいませ。





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一番人気の本堅地、黒無地の脚なし膳、800円。毎日の自分の食事をのせるために、と年齢を問わずひとり暮らしの女性に人気です。



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3㎝ほどの脚のついた朱塗りのお膳、300円。一汁一菜でちょうど良いサイズです。また、赤い色は食欲増進の効果もありますのでダイエット中の方は黒のほうをおすすめします。




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四方の縁が3㎝ほど高くなっている会席膳。本手家具師の作った上質な会席膳です。黒塗りですが、内側だけが茶の梨子地(なしじ)。






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同じ本手家具師、石井重武作の黒無地会席膳800円もあります。
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黒地の漆器は、ガラスとも大変に相性の良いものです。当店でも取り扱っている明治、大正頃のプレスガラスなどは手ごろな値段で趣がありおすすめです。






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こちらは愛媛県の長井時松作、布着せつや消し会席膳。松竹梅の上品な金蒔絵でお正月に重宝です。






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薄(ススキ)に桔梗の金蒔絵お膳。お月見の時に最適です。強固無比、2度塗り本仕立て、熊井通博造。






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富士山を望む風景が沈金、沈黒で上品に描かれているお膳。美術漆器、山田金吉造。




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小ぶりなタイプのお膳は、折敷として直接お料理を盛ってもとても映えます。






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刀の鍔(つば)と桜が意匠化された珍しい文様の会席膳。多少キズがあるので100円。





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掛け軸などでよく見かけるこの絵柄ですが、大掃除をほっぽり出して酒盛りを始めた老夫婦のように見えてしまいます。100円。







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もっと気軽に使えるものでしたら春慶塗の立涌(たてわく)会席膳300円を。軽いので、膳としても盆としても使い良いです。
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お椀との組み合わせで普段の食卓にいろいろとご活用ください。










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半月盆もあります。




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両面使える松唐草の半月盆は合成漆器。素地はユリア樹脂で塗はウレタン。1枚で2倍お得、未使用品200円。


そのほか丸盆、角盆など大小いろいろあります。
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丸盆で汁ものを主役に…
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お気に入りの陶磁器と合わせて晩酌に…
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この時期はひとりおでんにも…
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漆器同士はもちろんのこと、陶磁器とも大変相性が良いので漆器を特別視せず是非普段にお使いいただきたいと思います。








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脚付黒無地お膳も状態に応じて100円からご用意。地附き堅極漆器、真砂為次郎造。





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本堅地塗師造の朱と黒の脚付膳、1500円。

我家も元旦だけは、座卓をしまって毛氈を敷き、脚付のお膳でおせちをいただきます。夫婦といえどもきちんと居住まいを正して年頭のあいさつをするのは大事なことだと思います。昔は当たり前だった行為でも現在は何でも簡略化されてしまいますね。





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省スペースな3段の入れ子膳。沈金で宝物が描かれています。




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松竹梅沈金の5段入れ子膳。

お鏡餅や屠蘇器を置いたり、付随する昆布やあたりめをのせたり、飾り花をのせたりと活用範囲は広いです。

ホンモノとニセモノ…

本日も商品のご紹介をつづけますが、今日の分にはホンモノの漆器とニセモノの漆器と両方あります。そこで先に漆器の分類についてご説明しておきます。漆器とひとくちにいいましても、中身と塗りの素材と組み合わせで表示が異なります。

「漆器」…素地の如何を問わず天然漆を塗った製品

「合成漆器」…天然漆以外の塗料を塗った製品



さらに詳しく言うと、


「木製漆器」…天然木に天然漆を塗ったもの。いわゆるホンモノの漆器。デパートなどでよく見る伝統的工芸品に指定されているものはすべてこれに該当します。

「樹脂製合成漆器」…木粉加工品(圧縮材)や合成樹脂の成型品(プラスチック)に各種の合成樹脂塗料を塗ったものはすべてこれに含まれます。



つまり、プラスチックの上に天然のうるしを塗ったものは、漆器と自称しても何の問題も無いことになります。また表記自体も全国で統一されているとは言い難く、ポリエステル塗料の「輪島塗箸」と記載されたものも市場に存在します。一般消費者は「木製漆器」のみを本物の「漆器」と考え、そのほかのものは「合成漆器」と捉えているのではないでしょうか?ただし、合成漆器だから悪いということではなく、高い技術で金蒔絵の施された合成漆器もありますから、予算と好みに合わせてみなさまに選んでもらいたいと思います。






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南天の絵柄の屠蘇器。未使用品なのでピカピカですがホンモノの漆器です。


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上記の2点の屠蘇器はどちらも合成漆器。左の朱色のものは、塗がカシューで素地はユリア樹脂。右の黒いものは、塗がカシューとウレタンで素地は天然木加工品(木粉とフェノール樹脂の成型品)です。朱のほうはカチャカチャといかにもプラスチックな音がしますが、黒いほうはなかなか良く出来ています。重さもくぐもった音も天然木に近いのです。
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松も幹が梨地、枝ぶりも堂々とよく描けています。先の南天柄の屠蘇器よりもホンモノっぽく見えます。








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本堅地の5つ重ね盃、台付。お見事、2000円。





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屋久杉の文箱。未使用品、各300円。屋久杉は、ほかの木に比べて油分が多いような気がします。なにも塗らずとも乾拭きだけで美しい木目が保てます。また、爽やかな香りが素晴らしいです。






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左は輪島塗の梅紋文箱。右は琳派風な水辺の菖蒲と鳥。共にホンモノの漆器で1000円。






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春慶塗をはじめ、琥珀色の奥に木目の透けて見える美しい木地呂塗り(きじろぬり)製品各種、100円から。左から、飛騨春慶の建水、丸盆3種、菓子鉢、菓子器。春慶塗とても安心できるとは限りません。素地が透けて見えるものですから、素地は確実に天然木ですが、塗装がまれにウレタン塗装のものがあります。





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鎌倉彫の丸盆4種と平鉢100円から。先に木地を彫ってしまう鎌倉彫や、木目を見せる春慶塗、竹で作る籃胎漆器などは通常下地を施しません。





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会津塗の鉄線丸盆。

非常に美しいものです。素地は天然木、塗はカシュー。絵は手描き本金蒔絵。分類上は合成漆器ですね。高い技術をもつ蒔絵師による会津塗独特の本金を使った消金粉、花芯には青貝を使うなどとても凝ったものです。なぜここまでするのなら漆を塗らないのか疑問です。未使用品、300円也。




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福岡の人にはなじみ深い、久留米の籃胎漆器(らんたいしっき)。♪らんたいしっきはきゅーうらん♪のCMソングは今でも流れているのでしょうか。竹製の素地を特徴とするものですが、現在でも竹を主流とするのは久留米だけのようです。

編みあげた竹かごに錆をつけて網目や隙間を埋め、黒漆の下塗り、朱漆、透漆の順に塗って研ぎだす。というのが本来の籃胎漆器の作り方です。ただ、おそらく30年ほど前が境目だと思いますがそれ以降のものはほとんどが合成塗料かカシュー。日常の生活用品が多いのでコストダウンのためでしょうか。残念なことです。ちなみにカシューは、カシューナッツからとれた油を原料とした漆に似た塗料です。割合耐久性があり強い光沢をもちますが、少し光沢は強過ぎるきらいがあり、耐久性も漆に比べると劣ります。





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合成漆器椀、いろいろ。100円から

素地が天然木加工品、メタアクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミンなどなど。そして塗装はアミノアルキド、ウレタン、カシューなど。もういろいろです。漆器は扱いが面倒だ、という方はこちらを是非。ただし、「漆器はすぐに剥がれる」と思っている人はこれらの合成漆器のことです。素地が樹脂のものは下地を施してあるものはほとんどありませんのでちょっと堅い物にぶつけただけでも塗装がぺろりとはがれます。上に塗ってあるものがホンモノの漆であってもです。漆器の丈夫さは下地にあり。(写真左のように塗料なしの樹脂が露出した漆器風プラスチックはその心配がなく乱暴に扱っても一番上部なタイプです。)

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合成漆器の大きな蓋付椀もあります。





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合成漆器ならではの形状のものは、あえて楽しむことができますね。ひょうたん柄の仕切り皿。ちょっとしたおつまみも映えます。





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茶卓や小皿なども春慶塗や屋久杉などで多数。




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異彩を放つコースターは、将函塗。素地は珍しく紙です。柄もよく見ると、薔薇。斬新な試みだったのでしょうが、現在では見かけません。防水性は確かなので水で洗えます。





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溜塗(ためぬり)の楕円盆。飴色の高級感ある塗りものですが、素地は天然木加工品。高級感があるだけに惜しい。






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これは漆器ではありませんが、「亀甲菊底盛籠」。縁起ものですね。京都嵯峨野の野々宮竹を使った手編みのかごです。竹泉の銘入り。2000円也。






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京都は酢屋の蓋物。お椀などは木材をロクロで削って作る挽物(ひきもの)ですが、木の固まりをくり抜いて作るものを刳物(くりもの)と言います。手間のかかった工芸品です。600円也。






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ナスの漆絵の小箱。古いものは遊び心のあるデザインのものが見つかるので楽しいです。塗りも美しく上質なものです。




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大極上渋地製、銘々皿。1枚200円也。

これまで、上質なものには「本堅地」が施されていることは承知していただけたとおもいますが、もうひとつ下地の方法として「渋下地」というものがあります。これは、漆の代わりに柿渋、地の粉の代わりに炭粉を使うものです。本堅地よりも安価でできることから越前漆器をはじめ各地で使われました。ただ炭粉の粒子が表に響くことからざらつきを感じることもあり現在ではあまり使われなくなっています。輪島塗の本堅地に使われる珪藻土(けいそうど)はとても堅く、丁寧に扱えば100年もつほど丈夫ですが、ガラス質ですので床に落とすなどの衝撃には逆に弱くなります。その点も含め衝撃にも強く安価にできる渋下地は普段使いの器に最適ともいえます。



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山口県、大内塗の大内人形。おひなさまです。

ぽってり丸い漆塗りの雛人形です。可愛らしい容貌は、本漆塗りに蒔絵を施した漆芸人形です。作っているところもいくつかあり、これは創業文化元年、元祖製造元中村民芸社製です。








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宮崎漆器のお箸と箸置きのセット1組400円也。丸鉢は、日本ニュークラフトデザイン展入選の日向美術工芸社製、600円。









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しこく彫りの菓子器。朴訥な風情がよろし。





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玉手箱も100円。





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一段のみの箱。おせちも一段で十分という声も…算木(さんぎ)紋を金蒔絵であしらったすっきりしたデザインです。しっかりした作りの木製漆器。算木とは、13紀にそろばんが使われるようになるまでつかわれた計算をするための木の棒です。






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枡が三つ、コンパクトに収まります。




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漆器とは思えないモダンなデザインの小皿。中心が厚く縁が薄くなった木製漆器ならではの質感です。




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無地の2段重箱、1000円也。

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伊勢海老に青貝がちりばめられた2段重箱、200円也。

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朱に沈金の輪島塗1段箱。300円也。

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木製漆器の小ぶりな重箱各種、古いもの、少し傷みのあるものは200円から。






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合成漆器の重箱も各種100円から。スチロール樹脂、ABS樹脂などいかにもプラスチックな風情満点。ここまでプラスチックを楽しむデザインだと逆に好感が持てます。若い女性はメイクボックスとして使うんだとか…うーん、斬新。

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山中漆器の3段重箱。嘘くさい木目調に鉄線の金蒔絵。素地はメタアクリル樹脂、塗装はウレタン。200円也。


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伊勢海老の2段重箱。むくむくと盛り上がった伊勢海老の臨場感あふれます。






漆器重箱の使い道…

本日も商品のご紹介を続けて参ります。お椀以外にも漆器製品はいろいろとあります。今日ご紹介する分もほとんどが、いわゆるホンモノの漆器(木製漆器)です。すでにお求めになったお客様もご参考くださいませ。



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博多のお雑煮は具だくさんでいろどり良くいろいろなものが入ります。おつゆも透明ですから、すべての具をきれいに見せたい!となると、こういった径が広く底の浅い蓋付椀が最適です。






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本堅地の梅形中鉢。宝尽くしの文様によくある宝珠と根のついた松。宝珠は仏具で、サンスクリットで言うとチンターマニ。「意のままに様々な願いをかなえる宝物」なんだそうです。松は静岡の根上がり松のようにも思えます。とにかく、ご利益ご利益。800円。





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3段の重箱ですが、提げて持ち運べるように台がついています。サイドには松竹梅が丸紋で施され、蓋には羽の一枚までが美しい雲に鶴の金蒔絵。見事です。3500円。




福岡では割と珍しい沖縄の「琉球漆器」

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黒の茶卓と朱の銘々皿。ゴロゴロと転がっているのは、なんとパパイヤ。なんとも沖縄らしい柄です。

琉球漆器の特徴は、堆錦(ついきん)と呼ばれる加飾法とブタの血を使った豚血下地(とんけちしたじ)です。堆錦とは、漆に多量の顔料を混ぜて練った餅状のものを型抜きし漆器の表面に貼り付けるものです。立体的な柄になります。また、豚血下地はブタをよく食べる沖縄に適したものともいえます。ブタの血と桐油、珊瑚の粉、本島中南部でとれる土などを混ぜて作るそうです。またブタの血は空気中の酸素と結合すると強力な接着力を発揮するので、通常の漆下地の代用として多く用いられたんだそうです。

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蓋付の菓子器。ハイビスカス柄。以上は琉球漆器最古の老舗、角萬のものです。





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同じく琉球漆器の丸盆。ですが、これらは宮崎県の琉球漆器です。正確に言うと、琉球塗の流れを汲んだ宮崎漆器です。太平洋戦争末期に沖縄を追われ宮崎に疎開移住した人が多数おり、その中の漆工技術者が始めたそうです。

今では宮崎県の伝統工芸品指定となっています。琉球漆器の特徴ともいえる冴えた朱の色は、沖縄の高温多湿の風土のおかげだといいますが、九州の中でも温暖な宮崎県はその点でも共通しているのでしょう。素地は沖縄で多用されるデイゴではないと思いますが、下地は独特の秘法…となっているそうですから豚血下地なのでしょうか?








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サイドは擦漆(すりうるし)で木目を生かした仕上げ、上面のみ下地をし朱塗りに金蒔絵の中皿。厚手で木の質感を満喫できます。







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贈答品を席巻する「たち吉」の最高級バージョン、青嵐(せいらん)の四方盆。葉脈の浮き出る葉の上はガラスが張ってあります。凝った作り。未使用品2000円也。ちなみに青嵐とは青葉を吹きわたる風、薫風の意。






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同柄の台付、唐塗り(からぬり)の2段重箱、5000円。

青森県の津軽塗でおなじみの「研ぎだし変わり塗り」の内の一つです。本堅地を施してありますし幾層もの色漆を塗り重ねては研ぎだす、の繰り返しですからとても重厚で堅牢な塗物です。

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台無しの2段重箱のみは、3000円。




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同じく変わり塗の一種、ひねり塗の五段重箱。小ぶりなので大げさにならず手作りのおせちが映えそうです。


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昨今の売ってあるおせちのように具をぎゅうぎゅうに詰める必要もないと思います。ゆったりと一段に1、2品というのも良いです。






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台付の一段重箱。正方形でなく凸凹のある個性的なデザインです。塗りも二色で使い分けてあります。

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1段の場合は、ちらし寿司を盛っても良いですし…

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個人的には、わたくしは観劇には手作りのお弁当を持参します。仕事で行けない夫には、重箱を1段だけ使って松花堂弁当のように詰めてあげます。いつもとは趣が変わって喜びます。わたしのお弁当の残りですけれど…







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3色で入れ子になった蓋付容器。1000円。






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4寸の銘銘皿、3種。

真ん中と右は、きちんとした木製漆器。真ん中はおそらく輪島塗です。問題は左。会津塗の銘銘皿ですが、塗りは天然漆できれいに塗られています。ただ素地が天然木ではなく、「天然木加工品」だと思います。一見すると大した違いは無いようなこの表記ですが、現在流通している安価な漆器の大半を占めるのが、この天然木加工品です。何でできているかというと「木粉とフェノール樹脂」です。木の粉をプラスチックで固めたようなものですが、だいたい木粉の割合が半分、樹脂が半分。従来のABS樹脂のようないかにもプラスチックな感じは無いものの、純粋な木製品とは全く異なるものです。





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モダンな配色ですが、本堅地のきちんとした屠蘇器。漆絵と金蒔絵でこぼれ松葉や笹文様がかいてあります。銚子の形も釜形。盃と台の色が異なるのはよくあることです。個性的なひと揃いです。セットで1500円。







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揚羽蝶が描かれた3㎝ほどのブローチ。もとは帯留めだと思います。






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15センチほどの小さな3段重箱。大胆に菊文様があしらわれた会津塗。

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こうした小ぶりなものには普段使いでおかずを2品とか、いっそお漬物だけ…などというのも素敵です。






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九州では珍しい岩手県の秀衡塗(ひでひらぬり)の銘銘皿。

起源は、平安末期の奥州藤原氏までさかのぼるという由緒ある塗物です。金箔を多用する文様に特徴があります。弁柄色(べんがらいろ)の雲(源氏雲)に金箔の有職菱紋、のびやかな松、という一見派手なようにも見える柄ですが、全体に艶をおさえた塗で、実際には力強さと気品が漂うとても上品なものです。1枚500円也。







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輪島塗の螺鈿と金蒔絵で蔦文様が施された脚付台。花台にしても、ニャンコ様のお膳にしても良し。3000円。








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これ、何に使うものだかよくわかりません。ご存じの方いらっしゃいましたらご教示くださいませ。2円50銭の値札がありましたからかなり古いものです。







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もはやお殿様クラスの松竹梅金蒔絵の台付3段重箱。傷みがあるのでセットで1000円也。







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見事な枝ぶりの松に鶴と亀の4段重箱。蓋は2枚で贅沢に柄違い。写真では1万円となっていますが6000円也。





続きはまたのちほどに…