時計4種入荷

年内の営業も、今日を含めてあと3日。夫はホウホウノテイで今日も店に出かけてゆきました…以下直近入荷の時計4種。



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1日巻きのオルゴール付目覚まし時計。手巻きですよ。

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精工舎製。何の曲がかかるかは店頭でお試しを。






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木目調のトランジスタ掛け時計。セイコーソノーラです。

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小細工のないハッキリスッキリ時間のわかる文字盤。





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木目と緑色の配色が絶妙な品の良い掛け時計。14日巻き、手巻きですよ。

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服装もそうですが、上品に洒落ることができるのはおとなの特権ですね。






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ドイツ製の置時計。

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四方がガラスなので機械部分が見えます。驚きの400日巻き。手巻きは面倒だ、という人にも。



以上4種、腕の確かな職人のオーバーホール済みです。そのままお使いいただけます。


掛け時計に関しては、「電池で動くトランジスタ時計」と「ねじを巻く手巻き時計」がありますが、当店で扱っているものは手巻きでも外見がモダーンな雰囲気のものが多いのでトランジスタとの見分けがつきづらいと思うお客様も多いかと思います。要は文字盤にねじまき用の穴があいているものは手巻き時計なのですが、よくわからないなぁという方は遠慮なく店主までお尋ねください。

昭和のポチ袋、ほかもろもろ入荷

今日は冬至ですね。冬至にはかぼちゃといわれますが、要は「ん」のつく食べ物をたべるといいのだと聞いて育ちました。地方によっていろいろいわれがあるようですが、とりあえず南京は食べるとして、我家では「おいなりさん」も食べることにします…


以下、直近入荷分です。


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クリスマスのしおり。

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小さなものですけれど、戦前のもので印刷の具合がとても丁寧できれいなのです。





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懐かしい昭和のポチ袋。

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余談ですが、はじめてお年玉をあげたとき「あぁ、わたしも大人になったもんだなぁ」とおもいました。

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おっぱいの具合がすごい。







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昭和のご飯茶わん。

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モダーン柄いろいろ…





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濃い茶色のコーヒーテーブル。






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ロバみたいな人形親子。






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くろんぼこけし栓抜き。







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人魚型栓抜き。







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赤被せ切子の冠水瓶。

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やっぱり赤の切り子は美しいです。見惚れます。





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ガラスのスタンドライト。一回目のカチッ、で電球部分が点灯。2回目で筒のガラス部分が点灯。

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白い擦りガラスにお魚のレリーフ。





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小ぶりな木製飾り棚。

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あちこちに壺モチーフ。

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サイドにも壺。




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薄くて色っぽい紫色のグラス。

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下がポッコリして変わった形です。

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四角い紫の皿は大小あります。





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クリスタルカンガルー。腹に小物が入れられます。






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モダーン花瓶、色違い。






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一見金ピカの地球儀2個。

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大きいほうは、煙草入れに…

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小さいほうは、ライターに…

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細部まで凝りに凝ったつくりのウインドミルのライター&煙草入れセット。1980年代後半ごろの商品でしょうか。







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南仏を思わせる温かみのあるお皿なのに「SEIKO」。






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クジラ皿。

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日本近海捕鯨株式会社の記念プレート。





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モダーン漆器の蓋物と小皿5枚組のセット。

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木の葉柄。






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青色ガラス小鉢。







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三角灰皿、色いろいろ。

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50年くらい前のもの。サントリーのヘルメスのリキュール類宣伝灰皿。





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昔風のラジオ。

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AM,FM入ります。レプリカ。





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うつ病の犬をワイヤーで表現したらこんな感じ、といった風の置物。なぜだかうなだれていて薄気味悪い。





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真っ黒のフグ型灰皿。

人面陶板、ほかもろもろ入荷

休む間もなく商品もろもろ入荷で営業中です。



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長机、入荷。

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軽くて素朴な机です。

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作業台として。





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赤ら顔の女性の置物。灰皿として使う勇気のある人いませんか?






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白と黒のモダンプリント皿。

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鳴海製陶製。





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当店では定番のアンバー色ガラスカップ&ソーサー。

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DURALEXです。






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ゆったりと口の広いカップ&ソーサー。

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これも鳴海。





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簡易本立て。両サイドに小鳥の透かし彫り入り。





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大きく重い木箱。

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はめ込み式の蓋。






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回転式椅子。座面も中のバネも現状にておつとめ価格。






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厚手のガラス鉢、3種。

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虹色。

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いちごミルク色。

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ぶどうゼリー色。

この手の小ぶりのガラス鉢は、男女問わず喫煙者のお友達へ灰皿の贈り物として人気があります。









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お正月用にとご要望がございましたので、華やかな金襴手の深鉢。

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がめ煮からサラダまで何を盛っても華やかに。





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全長40センチくらいのお魚の皿。

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うろこの柄までキレイ。明治ごろの伊万里焼。


続きはまた…

「漆器まつり」御礼

はじめての「漆器まつり」、本当にたくさんのお客様にお越しいただきまして心より御礼申し上げます。

漆器は、一般的な道具とちがい複数の材料、工程を経て出来上がるものなので基本的な構造や材料に関する知識がなければその良し悪しの判断をつけづらいものです。したがいまして蛇足ではありますが、漆に関する話を少ししておきたいと思います。

今回の漆器類は制作年代が主に明治から大正のもの、モダーン漆器に関しては昭和40年ごろまでの商品です。合成漆器が台頭してくるのは戦後、高度経済成長による工業化の影響が大きかったということはお話ししましたが、それ以前の木製漆器は純国産であると思われる方も多いと思います。しかし意外なことに漆という材料は100年以上前の明治28年ごろから国産を輸入が上回っています。輸入自体は鎖国下の江戸期から行われていたようです。さらに戦後は国内の漆生産量は激減し輸入依存度は99パーセント近いという状況が長年続いています。

ですから素地の木や上塗りは国産のものを使っているにしても下塗り、中塗りには外国産漆を使うというのがほとんどのようです。真っ当な漆器屋さんでは現在でも天然漆の輪島塗箸が1膳1500円程度で買えると申しましたが、これも輸入漆あってこその値段です。国産の木を使った国産の漆だけで塗り箸をつくるとすると、おおよそ1膳が8000円以上はします。天然木にポリエステル樹脂を塗った一見して同じように見える塗り箸が100円から販売されていることを考えると、売れませんよね。同じように見える100円の箸と8000円の箸…


そうなると外国産漆よりも国産漆のほうが良いのか?という疑問が湧いてきますが、これは生産される地域によって漆の組成がことなります。漆は中国、日本、ミャンマー、タイ、カンボジア、韓国といったアジア圏でしかとれませんが、日本に輸入される漆はそのほとんどが中国産です。この国産漆と外国産の漆、何がちがうのかと言いますと主成分ウルシオールの濃度です。一般的に中国産、韓国産に比べ日本産のもののほうがウルシオール濃度が高く品質が優れていると言われますが、実際には中国産も各省で幅広く採取されており国内でも大和産、相模産など産地ごとにもかなり成分に違いがみられることもあり一概には日本産が優れているとは言えないようです。漆そのものよりも明治、大正の漆器と現代の漆器、その大きな違いは作っている人の違いのほうが大きいような気がします。

いまではほぼ絶滅した「職人」と言われる人たち。以前にも博多包丁の件で書きましたが、いわゆる丁稚奉公ができなくなったのは労働基準法が昭和22年に制定されたためです。それ以前の塗師屋(ぬしや)の徒弟制度はどうだったのかと言いますと、江戸幕府藩政のころは年季(勤めを約束する期限)が13年、明治の初めは9年、大正時代は7年だったそうです。親に連れられて酒一升を持って弟子入り、親方の家に住み込みで兄弟子の世話や家事や子守などの雑用をこなします。本来の仕事のほうは3年目で初めて塗りの仕事が与えられ、年季明け一年前にようやく上塗りが許されます。しかもそれはみなができるのではなく、品行方正、技量優秀なものだけが許されたといいます。そして年季明けになると親方と親子盃をし、名の一字をもらって独立します。それだけの年月に努力を要する「職人」の仕事が、現代の漆器作家と比べるべくもないのは仕方のないことです。
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職人個人の技量自慢よりも、見えない下地にしっかりとした技術をを施すという誇りのある仕事は、きちんと責任を負っています。つくったものに作家銘を入れるようなことはしませんが、職人が責任を持って作ったものには、共箱や包装紙に屋号や職人個人の名前が印字されているものも多くあります。

とくに輪島地方の職人には小唄、三味線、謡曲や俳句などの遊芸は一通りおさめた人も多かったそうで、輪島の芸者がほかの地方にくら替えするとお給金が上がったそうです。芸達者なお客の相手をしているから自然と芸者の芸も上達するんですね。時代のながれだとはいいますけれど、そうした人間らしい余裕をもった職人が作ったものはおのずとその作品にやわらかみというか深みがあるのは必然の様な気がします。しかし失ったシステムを再び、というのは無理な話ですし懐古主義には陥りたくありません。国内でも岩手県の浄法寺漆は生産量を増やす試みが盛んに行われています。そうした活動を後押しする意味を込めて良い商品を見極め、現在作られている漆器を手にとってみて欲しいと思っています。




さてさて、長くなりましたが今回の「漆器まつり」において実際に漆器を購入して使ってみた!というかた、もしよろしければ今回コメント欄をつけておりますのでご意見、ご感想をお寄せいただけましたら幸いです。わたくしこけしは店頭に立つことがめったにないものですからお客様と直接お話しする機会もないもので、いつもブログを見てるだけ、といった方もこの機会にご要望、ご批判等頂戴できましたらとおもいます。

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うるしかぶれ?

当店の「漆器まつり」も明日19日(日)までとなりました。ブログでの商品紹介が追いつかないもので店頭にはすでにない商品も含まれますが、ご参考までに。



本日ご紹介する商品は、日常のための漆器とは異なり工芸的な見て楽しむ美しさもあるものです。逆に言うと漆器といえばこのような技術を駆使したものを思い浮かべる人のほうが多いかもしれません。ですがこうした優れた作品は、日常の漆器のためのしっかりした土台の技術の上に成り立っているのだということを心に留めておきたいものです。


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真塗(しんぬり)内朱の「八十椀(はちじゅうわん)」セットで8000円。

お茶事やお寺のお斎などでも使う椀4つのセットです。つぼ(小ぶりの吸物椀)ひら(煮物椀)しる(汁椀)めし(飯椀)の四つのそれぞれ蓋が付いていて重ねると八重になることから八十椀と呼ばれます。真塗というのは、黒呂色漆で上塗りしたものです。つや消しの様に鈍い輝きの漆椀と違い、最後に漆を磨き上げて艶をつける塗り方の技法です。見た目重視ということですね。

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椀の内側(見込み)は鮮やかな朱漆で塗られています。一目見るだけで上質な塗りだとわかる深みのある椀です。

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それぞれ大きさの違う4つの椀、これだけあれば毎日の食事に事足りますね。






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菊竹蒔絵の進物盆、3枚組12000円。

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3枚ともに若干異なる図柄の菊と竹が蒔絵で描かれています。

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菊の葉の葉脈まで美しい高蒔絵。






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布着せ本堅地の輪島塗角盆2000円。

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縁の立ち上がり部分は、摺漆(すりうるし)塗りで木目の美しさを存分に。








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輪島塗の鯉が高蒔絵で描かれた椀、5客セット。

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金色の鯉が美しいです。







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布着せ本堅地の輪島塗富士形吸い物椀、5客セット。

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先にも申しましたが、漆器は角が弱いのですが、名月椀や富士形の椀のようにあえて角をつけたものもあります。下地の手間暇を考えると何倍にもなりますが、技量試しのようなものでしょうか?それもわかる人に使ってもらわねば何もなりませんね。表面には蓋と椀に通しでススキの平蒔絵。

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蓋の内側には、見事な高蒔絵で緻密な菊。

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椀の内側には、はらはらと菊の葉っぱ。しかもよく見れば虫食いの様子までありありと。






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溜塗(ためぬり)の内箔菓子器20000円。

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菓子器ですが、要はただの箱ですのでいろいろな用途にも。溜塗というのは赤い色の下塗りのうえに透漆を塗って、飴色の漆の透明感を楽しむ塗り方のことです。

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いやらしさのない上品な箔。






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布着せ本堅地の輪島塗2段重箱、12000円。

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沈金で菊と蝶が描かれています。優美で大胆な意匠は琳派のかおり。

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内側は朱。下地もきちんとした良い作りです。





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布着せ本堅地の輪島塗の重箱台。

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根来塗りとは逆に中塗りに朱、上塗りに黒がかかっているようです。何となく鬼のパンツの柄を思い出すのは私だけでしょうか…

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重箱をのせるとこうなります。ちなみにうちのニャンコは重箱台の上に杯洗の食器でおまんまを食べます。猫が前かがみにならなくてよいので画期的だと思っているんですが、知らずにうちに来たひとは新興宗教の神様へのお供えだと勘違いする人がほとんどです。






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一見無地の黒い椀。京塗黒吸い物椀全10客、すべてバラ売りで1客15000円。

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蓋を開けると、蓋と椀の内側にそれぞれ異なった意匠が蒔絵で表現されています。全部で10客ありますが、その蓋と椀すべてがちがう柄です。贅沢の極み。

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これらは何を描いてあるのかと言いますと、「謡本(うたいぼん)」です。謡(うたい)というのは能の声楽の部分です。能では台詞の部分にも独特の抑揚がありますが、それらのテキストといえるものです。能の知識があることが前提の楽しみ、大人への道は遠いです…

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わたしのような素人目にも技術の確かさはわかります。

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こんなに小さな謡本の文字までがきちんと美しい字で描かれています。

独特のツヤが美しい呂色仕上げのこれらの椀は京塗(きょうぬり)です。漆下地の調合などにおいて輪島塗などとは異なり、実用というよりも魅せるための漆器です。全20柄ですから、ここでは全部ご紹介しきれませんのでどうぞ店頭でお手にとってご覧くださいませ。






以上、今回の「漆器まつり」の商品をご紹介してまいりました。「漆器」とひとくくりにはできないほどピンからキリまである漆器の世界は深く楽しいです。漆による皮膚炎を「うるしかぶれ」と言いますが、気触れる(かぶれる)というのは「感化される」とか「その風に染まる」、といった意味もありますので今まで漆器に興味がなかったという方もホンモノの漆器の良さを体感してどんどん漆器に気触れて欲しいものだと思います。師走も後半を迎え何かとお忙しい折とは存じますが、今回ご紹介しきれていない花塗の時代椀や大ぶりな菊の蒔絵の3つ椀なども追加で入荷しておりますので店頭まで足をお運びいただけましたら幸甚です。