2010/12/15
1尺2寸の秘密
ここだけ正月の様だねと好評の「漆器まつり」、今週の日曜日19日までの開催となっております。遅ればせながら商品詳細を。お茶の懐石道具などもございますが、よくあるセット売りではなくすべてバラ売りです。おひとつから好きな数だけお求めください。以下、すでに売れてしまった分も含みますのでどうぞご了承くださいませ。
輪島塗のお櫃(ひつ)2000円、とその台。しゃもじ500円。

蒔絵入りの脚付のお膳、懸盤(かけばん)。

お正月くらいはこういうお膳で食事をするのも楽しいです。このお膳は3つがサイズ違いでキレイに重ねられるので省スペース。3つで3000円。

輪島塗のお箸。

お箸の数え方は、いちぜん、にぜん…ですね。お膳のぜん、からきているのでしょう。

東山造の銘入りお魚箸置。

若狭塗(わかさぬり)の半月形の会席膳、折敷(おしき)。

お箸などでよく見かける若狭塗の特徴は、この美しい文様ですね。変わり塗の一種で、卵の殻の粉末やもみ殻などを蒔いてその上に漆や金箔などを貼り、さらに漆を塗って最後に削って下の文様を出すという非常に凝った手間暇のかかるものです。

ごく低い脚の付いている会席膳を、貴人膳や胡桃(くるみ)足と呼びますが…

本当にクルミがついています。

懐石の道具、引杯(ひきさかづき)とその台。

これも輪島塗。とても上質な肌合いです。

布着せ本堅地の輪島塗会席膳。使い勝手の良い無地の黒で大きさは2種。ともに1枚600円。

おなじく輪島塗の会席膳。こちらは布着せ大極上本堅地、とあります。豪勢な感じです。大きさは2種。どちらも1枚1500円。大きなほうは全部で7枚あって、うち1枚の絵柄がほんの少し異なります。間違い探し程度の差ですが粋な計らいだとおもいます。

沈金(ちんきん)という技法で描かれた金色の桜。

うっすらと浮かび上がるのは沈銀。
お膳にまつわる面白い話をひとつ。お皿なども6寸皿などと称しますが、そのサイズは?ではなく尺貫法で呼ばれることがあります。会席膳はそのほとんどが1尺2寸です。この寸法は約36センチですが、一般的な着物の反物の幅と同じです。これが何を表すかというと、かつての日本人の腰の幅がこれを基本としていました。さらに1尺2寸のお膳に両手の拳の厚さを加えると、肩幅の1尺5寸(約45?)となります。つまり、京間(近畿地方で主に行われた建築における柱間(はしらま)の基準寸法)の廊下の幅3尺(約90?)は、膳を両手で持った二人がすれ違うことができる幅に作られているのだそうです。お膳がかつては平常にも使われたごく身近な道具であったことや尺貫法が日本人の体に即した寸法となっていることがわかります。

洗朱(あらいしゅ)のお屠蘇セット。2段の小さな重箱付。全部セットで500円。
朱色の漆は朱漆(しゅうるし)と言いまして彩漆(いろうるし)の一種ですが、飴色半透明の透漆(すきうるし)に、硫化水銀を練り混ぜたものです。濃い朱を本朱(ほんしゅ)、淡くなるにつれて洗朱(あらいしゅ)、赤口(あかぐち)、淡口(あわぐち)、黄口(きぐち)と呼びます。

木地呂塗(きじろぬり)の丸型弁当箱1000円。

木目の美しさを活かすために透漆を塗った、透けた感じを強調する漆塗りです。お誂えの木綿の共袋付。

緑色の彩漆を塗った輪島塗の3段弁当箱。共袋付で2000円。全部で8個あります。
弁当箱というのは江戸文化を象徴するものと言われ、観桜、観楓(かんぷう)など行楽には必須のお弁当を入れる容器として、丈夫で軽い漆器は最適の素材です。

内側は洗朱。一番下はたっぷりご飯が入るよう十分な深さがあります。暮しの手帖で同じような輪島塗の2段弁当箱を17000円ほどで今でも売っています。

つや消し2度塗り本堅地の輪島塗湯桶500円。鳥すきやお鍋など煮詰まってくるお料理におだしやお水を差すのにもちょうどよいのです。

輪島塗の小さな椀、箸洗い。これからの季節、美味しい棒寿司をたべるときなどに、ちょっとお吸い物があると幸せですね。粉末の松茸のお吸い物でも…