2009/07/30
ランカクデ
乱獲ではなく、卵殻です。英語で言うとエッグシェル。よくあるボーンチャイナ、磁器の種類のひとつでボーンは骨、チャイナは磁器を指します。骨粉は牛を使うそうです。そしてこの卵殻手と呼ばれるものは卵の殻を土に混ぜて焼成する磁器です。
金がまぶしいほどの豪華絢爛なティーカップです。

厚みは1ミリ以下で向こうが透ける様は、まさに卵殻。

明治30年頃まで、海外輸出品として脚光を浴びたそうですが現在は途絶えた技術になってしまったのでしょう。しばしば染物や彫金など現在はできないと言われる高度な技術で作られたものを目にする時、失ってしまったものの重大さに気づき、取り返しのつかないということの悲しさで心がギザギザします。
話がそれましたが、卵殻手の特筆すべきは、「薄さ、軽さ」です。手に取ってみると皆、ホゥとかハァと発します。たいていの方は驚きますね。うすはりグラスで冷えたビールを飲むと心底おいしいように、口当たりの薄さは飲み物の味と香りを劇的に変えますから、きっとこの卵殻手で飲む紅茶もきっとおいしいはず。店頭でぜひお手にとってこの「薄さと軽さ」を体感してくださいませ。