台湾旅日記

毎年年末年始はながーい冬休みを頂戴しておりますが、今回は台湾に滞在しておりました。台湾の古道具事情を覗いてきましたので、いくつかのお店をご紹介したいと思います。台湾旅行へ行かれるかたはどうぞご参考に…



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まずは、台中市内の『酷庫 kuku antiques』写真左が若きオーナーです。戦前(日本統治下)の台湾および日本製品のアンティークを取り扱っています。自ら買い出しされるので、商品はうぶ出しです。この時は展示会中。日本のものも含め珍しい形の電話器がいろいろありました。インスタグラムにいろいろ商品が載ってますが、うぶ出しだけあって商品に眼垢がついてないというか、掘り出し感満載です。あと、時々写ってる台湾女子がめちゃめちゃ可愛いのに興奮します。

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さらに外では蚤の市が開催されていました。店舗の方はいつも開いている訳ではないので、事前予約が必要です。


『酷庫kuku』 - 古物 藝術 空間配置
住所 台中市中區市府路101號 (P&F hotelの地下1階)
予約 / 0928900255
Line / ryanchentw
Facebook https://www.facebook.com/kukuantique/
Instagram 酷庫kuku





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そして、台中市中心部からは少し離れますが、「本日製作社」。日本の書籍や文具類を扱っています。最近は、台湾やタイの若者に日本の文具が大変な人気のようですね。インキューブでフリクションボールペンを大量に買ってる外国人観光客を見かけることも多くなりました。お土産にするんだそうです。このお店は光復新村という地域おこしのような活動をしているところにありまして、これから蚤の市などの様々なイベントを開催予定だということです。

『本日製作社』- 風格文具
住所 台中市區和平路6號
営業時間13:00~17:00
Facebook https://www.facebook.com/honichiss/
Instagram 本日製作社





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そして去年の9月にオープンした今最もホットスポットだと思う、台中國家歌劇院(台中メトロポリタンオペラハウス)の中にある「VVG Play Play」。ここの紹介記事を見てもらえばわかりますが、おしゃれです。普段ならおしゃれすぎて近づけません。書籍や日本のグッドデザインな雑貨などがあり、フロア別にレストランが入っています。この素敵なオペラハウスは台湾と繋がりの深い日本の建築家・伊東豊雄氏による設計です。

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ここの5階のVVG Beer playで世界のクラフトビールが飲めます。これは台湾のIPA。クラフトビールブームが盛り上がってるのも世界共通なんですかね?座席から眺める景色もよく気分よくビールが飲めます。

ちなみに福岡でよく行くのはソラリアプラザの地下2階のDean&Derucaのレストランフロアにあるカウンターです。常時(主に日本の)クラフトビール約20種が飲めます。今のところ個人的に一番美味しいと思っているビールは大阪の箕面ビールW-IPAです。ふくよかな香り、コク、アルコール度数9%でしっとりした酔い心地はキングオブビールだと思っています。あと地元福岡の別府で作ってるあまおうのビールもいちごの香りがふんわりと漂ってビールが苦手な人でも美味しく飲めますし、外国の方にも喜ばれます。ビールの話ばかりですみません…

『VVG play play』
住所 台中市恵来路二段101号
電話 VVG Food Play(04)2258-7682 / VVG Beer Play(04)2258-5662
年中無休ですが営業時間はフロアごとに異なるので調べてね






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そして別の場所にある同じVVG系列の「VG Thinking」素敵なレンガ造りの外観。ここは2009年オープンです。1階がカフェで2階にBook Storeと雑貨類。雑貨はアンティークから新物まで様々です。去年、弊店でお求めいただいた家具類も無事ここに収まっています。インボイス書類に苦労したのを思い出します…

『VVG Thinking』 - 好様思維
住所 台北市八徳路一段1号 華山文創園区 紅磚六合院C棟
営業時間 12:00~21:00
休業日 無休





このほかにもいろいろ行ったお店はあるのですが、満席で入れなかったお菓子とアンティークのお店とか…また次回にご期待ください。それにしても毎度旅行から帰ってきた夫が口にするのが、人のエネルギー量の違い。日本に住んでいると気づかないのですが、離れてみると、あー、やっぱり日本人て疲れてるよね…と思うようです。同世代でも台湾の人は男女ともに良く食べる!良く働く!感心します。見習わなければ…

猫を連れてのご来店…

昨日、記念すべき出来事がありました。店を始めて12年目にして初めての、「猫を連れてのご来店」です。当ブログのタイトル下の説明文にありますが、弊店では猫を連れてのご来店大歓迎です。文字が小さいため誰も読んでいないのか、かつてニャンニャンニャンの日(2月22日)に猫を連れてご来店の方には店内全品半額セールを行ったにもかかわらず、猫様来店ゼロを記録し、夫のテンションダダ下がりでしたので、今回の猫様ご来店には本当に喜びを隠しきれません。 これからもどしどしと猫様のご来店お待ちしておりますよ…

150年前のレンズ…

今年のお盆はまるで梅雨。というより秋雨。随分と涼しいお盆でした…『郷土玩具と土鈴』も今月いっぱいまで展示していますが、予想以上に好評で遠方からもご来店いただき店主も喜んでおります。8月も後半戦、土鈴は増強してますので、土鈴ファンの皆様お待ちしてますよー。






そして今日は、まったく関係のない話を。過日、ちょっとめずらしいカメラレンズが手許にやって参りました。1866年頃、約150年くらい前の英国製DALLMEYER(ダルメイヤ)の真鍮製のレンズです。

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このブログをご覧の方はご承知の事かと思いますが、私個人的にカメラに関して全く関心がありません。ただ、今回はこの150年前のレンズで撮った写真ってどんな風になるのかしら?との興味だけはあったんですね。そこで古いカメラに非常に詳しいお客様にご協力いただきました…

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この美しい柾目をごらんください。マスで作ったカメラです。ダルメイヤのレンズを使って自作してくださいました。

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黒い穴の空いた板は、絞り羽根と言うそうで、まさに手動で絞りの調節をするんですね。

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で、升をきれいに塗装するときちんとカメラらしくなりました。


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そして、肝心の150年前のレンズで撮った写真がこちら。弊店の外観です。もやもやした感じなんかは幕末の武士の写真などと同じですね。いまやPCで加工すればどのようにでも見せられる写真ですが、本物はやっぱり良いですね。嘘がない…



これだけの手間ひまをかけてこの写真を撮ってくださった方、何がスゴいって日常的に古いカメラを存分に使いこなしておられるんですね。私みたいなカメラ白痴者にいちいち説明するのも大変だと思いますが、心から尊敬します…私、古いカメラって不鮮明なぼんやりした写真ばかりだと思っていたんですよね。

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これ、博多駅前の写真なんですけど…
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デジカメみたいに解像度の高い写真が撮れるんですね…

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上記のものはいわゆる大判カメラで撮ったものですけど、(↑これは中判)こういう形状の古いカメラですよ。すみません、白痴でもすごいと思いました。これを機にカメラに興味が持てたらもっと良いのでしょうけど…

十周年。




本日で、お店を始めてから丸10年となりました。

      



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神経質で人見知りの夫がよく10年も続けられたなぁ…と思いますが、これもひとえにお客様のご愛顧のおかげでございます。本当にいろいろな事があった10年間でしたが、思う事がありすぎて、このブログにすべてを綴るとあまりに長文過ぎて読者の方に愛想を尽かされると思うので、全部割愛します…どうぞこれからも末永いお付き合いのほどよろしくお願い奉ります♡

大入御礼

おかげさまで今年も無事に第3回「漆器まつり」を終了することができました。寒い中、足をお運びくださいました皆様、誠にありがとうございました。今年は他県からのお客様も多く、わたくしが店番をしているおりに、「ブログ書いてる人ですよね!」などのお声かけをいただきまして誠にうれしく思います。

弊店は古道具屋ですから、合成漆器はデッドストックのものがほとんどですが、木製漆器の方は幕末から明治、大正、昭和のものが主です。

お椀ひとつとってみても古いものは圧倒的に高度な技術で作られています。木地自体も縁に行くにしたがってかなり薄く挽いてありますし、同じ椀でもひとつひとつの柄がのびのびと描かれ、すべて少しずつ異なります。一方、近年の椀になると木地は均等に厚く挽いたものが多く、5つ組でも寸分違わずプリントのような絵付けがしてあります。きれいにそろった完璧な商品を求める消費者のニーズによるのでしょう。

また、古い輪島塗の椀などは、まれに椀の底にちりめん皺のようなものが寄っていることがあります。漆が渇く際に縮んだものですが、これは漆が濃く強いということの証でもあります。昨今のコスト優先の油で薄めた中国製の安価な漆では、このようなことにはなりません。新品と比較すれば難点ともとれる部分ですが、古いものの証を趣として楽しんでいただければと思います。


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白いご飯は、黒漆塗り椀で食べるのが一番おいしいと確信しています。より多くの皆様の食卓に漆器が並びますように!


旧松本家住宅

過日、北九州は戸畑の旧松本家住宅の一般公開へ行って参りました。その存在をわたくしまったく存じ上げませんでしたが、ここで結婚式を挙げたという人が周りにちらほら…とても素敵だなぁと思いました。福岡のかたはあまりご存じないのではないでしょうか?写真撮影も可能でしたので以下、ご報告までに。



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夜の小倉へはちょくちょく出かけるのですが、戸畑へは初めて参りました。駅を降りたらすぐに若戸大橋が見えます。赤くて大きな橋はとても美しいですね。



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有名な明治学園前でバスを降りてから、夜宮公園を通り抜けます。6月上旬には「とばた菖蒲まつり」が開催されるそうで、この時はまだまだつぼみでしたが本当にたくさんの菖蒲が植わっていて驚きました。その数50種、2万本だそうです。




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これが旧松本家住宅、中庭から。

御存じない方のために補足:筑豊御三家と称された安川・松本家の安川敬一郎氏の次男である松本健次郎氏が明治45年に住宅と迎賓館を兼ねて建てたものです。設計は日銀本店や東京駅を手掛けた辰野金吾氏。洋館と日本館があり渡り廊下でつながっています。建物はもちろん家具に至るまでアール・ヌーヴォー様式で作られている例は珍しく、国指定の重要文化財となっています。

近年外壁が塗りかえられたそうですが、なんだかちょっと変。緑色が濃いですね。オリジナルはもう少し上品な緑色だったんじゃないかと思います。

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ぶどうにツバメのステンドグラス。大正期の日本製ステンドグラスは本当に味わいがありますね。外からみると、油絵のようにも見えてまた違った美しさが楽しめます。

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南蛮絵更紗のタピストリー「海の幸」。優に6メートルを超える大作は迫力満点です。

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対面するもう1枚の「山の幸」のほうには、猫がいました。

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家具類は言うまでもなく立派。なにがすごいって、テーブルの脚のコロが木製!



で、ここから日本館。

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欄間がゴテゴテしてなくてモダーン。趣味が良いですね。ちなみに最近の若い方、欄間のことを御存じなくて「ランマー」と言う呼び名のものだと思っている人がありますね。生まれてこのかたマンション住まいだと仕方ない気もします。

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日本刺繍を衝立(ついたて)にしてあるもの。溜息ものです。







北九州は門司港レトロ地区をはじめ、古い建物を残そうという気概があっていいですね。福岡市内にもいろいろとあったのに新し物好きな気性のせいか県政が悪いのか、ほとんど古い建物は残ってませんね。小倉には市役所の前にお城があるしね…羨ましい街です。いまや博多-小倉間は新幹線ならわずか15分です。みなさまもお出かけになっては如何でしょうか。

最後に小倉へ来たら食べずにいられないもの…

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高宮神奈備祭

世の中はまたもや3連休ですね。秋真っ盛り、行楽へお出かけの方も多いことと思います。わたくしどもは、10月3日に宗像大社の秋季大祭へ行って参りましたのでその模様をすこし。



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黄いろい稲穂がたわわに実っています。畦には赤い彼岸花もちらほら見えて、まさに秋の風景です。最近では毎年のように新米が出回る時期が早まっていますね。伊勢にお住まいの方には、伊勢神宮での神嘗祭(かんなめさい)が終わらないと新米を口にしない方が多いと伺いました。たしかに神様よりも先においしい新米を口にするのはなんとなく罪悪感があります。




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お祭りですから参道、境内ともに出店、テキヤがいっぱいです。植木市も同時開催されています。近隣の方も実のなる木の苗木を続々とお買い求めでした。わたくしどもは、またたびの木の枝を売っている人がありましたのでウズラ猫一家へのおみやげにひと束求めました。



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お参りを済ませ、本殿の後ろ側に回っていくと…

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ご神木の楢(なら)の木があります。葉形は宗像大社のご神紋で樹齢は550年以上ということです。青々したドングリがたくさん実っていましたが、落ちている実をひとつ頂戴しました。猫のおもちゃにすると大興奮です。真っすぐ転がらないところがたまらないようですね。

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ここをくぐると先は鬱蒼とした鎮守の杜の道となります。空気がひやりとして、良縁の御利益があるという「相生きる(あいおい)の樫」の木もありますが、そのほかにもかなり幹の大きな巨木がにょきにょきと生えており、巨木好きのわたくしも触ったり抱きついたりしてきました。たまりません。

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その先には第二宮、第三宮があります。伊勢神宮と同じ神明造(しんめいづくり)です。

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さらに先には、宗像三女神の降臨地と伝えられる高宮祭場があります。途中にも大きく開けた見晴らしのよい場所があってフィトンチッドが目に見えるような気がするほど緑の濃い空気です。むこうには海も見えますね。そしてこの日は秋季大祭の締めくくりとして高宮神奈備祭が行われました。

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日没直前に、清明殿から舞を奉納する女性3人と氏子の方々が高宮祭場へ向かいます。女性の額の黄色い菊の花がとても鮮やかで白い絹の衣裳と共にとても印象的です。古来の祭儀は夜、浄闇の中で行われたといいますから闇の中に浮かび上がる白い絹衣がどれだけ美しいか想像しただけでもうっとりします。

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先導する氏子の方は笙やひちりきを演奏しながら向かいます。






昨今はパワースポットなどと言われ神社仏閣巡りをする若い女性も多いですが、流行でもなんでも、参拝することはとてもいいことですね。日ごろ忘れがちな、謙虚な気持ち、感謝の気持ちを取り戻すきっかけになる場所には違いありません。定期的に足を運びたいですね。