ひなまつりこもごも

ドーン、ドーン、ドーン・・・



猫が死んでから、なぜか5キロ近く太ってしまいました。夫が「相撲部屋に入れば?」というのでやる気を出して、部屋の柱でテッポウの稽古をしています。某サイトでsumoダイエットと称してテッポウエクササイズが紹介されていました。なんでも二の腕のたるみをとりバストアップ効果もあるとか。今日も稽古に励みます…。








さて今年の3月3日は大変に寒いひな祭りとなりましたが、我家の猫雛さまはまだ鎮座ましております。促成栽培でない桃の花が咲く時期までは飾りたいので旧暦のひな祭りまでは毎年飾ります。今年は4月5日で大安にあたりますので何とはなしにうれしいものです。

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親指の先くらいのとても小さな猫雛さまです。お客様からのいただきものですが、開けてみると男雛の顔がのっぺらぼーでしたので、筆ペンで目を描き足しました。必勝ダルマ気分です。


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以前長崎に遊びに行った折、ちょうど上巳の節句(3月3日)に近かったので老舗の和菓子屋さんに行ってもスーパーに行っても所狭しと並んでいる「桃カステラ」に心奪われました。長崎県内では、お宮参りの内祝い品として桃カステラか桃まんじゅうを5個、重箱に詰めて配る風習があるそうです。先日、福岡三越のお菓子売り場でたまたま見かけたので松扇軒の雛桃カステラを買ってきました。催事かと思いきや常設で入っているそうなので、毎年買えると思うとホクホクした気分です。とても可愛らしい梅柄の小箱に雛人形ののし紙がかかっていて、何から何までうれしいお菓子です。

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そして最後まで夫が口に入れるのを渋った、ひなかまぼこ。

高い確率で発ガンしそうな美しい発色のかまぼこです。真空パックになっているので数日は飾って楽しむこともできます…。柳橋連合市場の老舗かまぼこ店のものですので、食べればシコシコと歯ごたえがあってとてもおいしいのです。これは5センチ大の大きさですが、手のひらくらいの大きなものもありました。









先日ブログに掲載しておりました大内塗の雛人形。やむなく入所した老人福祉施設のお母様の枕元に飾る、と言って50代くらいの男性がお求めになりました。いろいろのひなまつりですね。みなさまはどんなひな祭りをお過ごしになったのでしょうか…?

四十九日

本日2月28日はカレンダーにはビスケットの日、コメの日、そばの日、と書いてあります。そして我家にとっては…おいなりさんの四十九日です。遅ればせながら本年の1月10日の早朝、我家のニャンコのおいなりさんが他界いたしましたこと、この場を借りてご報告いたします。

6年ほど共に暮らしましたが、毎日外を駆け回って遊び、おなかいっぱいご飯を食べて、家の中でぐっすり眠り、猫にとって楽しい人生(猫生)を送ったと確信しております。また最後は布団の上で夫の腕枕で特に苦しむことなく寝たまま息を引き取りましたので送る側としても悔いはありません。交通事故等でなく、刻々と命を終えるところを見守ることができ本当に幸せだったと思います。そしてこのブログをはじめてからもたびたび写真等掲載してまいりましたが、同じく猫好きな方々にたくさんのご厚意あふれるお声を頂戴いたしましたことに心より感謝申し上げます。

おたふくもん

バラバラバラ?、バラバラバラ?…(豆をまく音)




今日は節分ですね。巻きずしにかぶりつく風習など、ここ北部九州には全く無かったのにここ数年はみなさん当たり前のように食べておられる。柔軟な民族性です。

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今日は所用で川端のほうへ参りましたので、ついでにお櫛田さんへ寄ってきました。さすが節分大祭だけにかなりの人出です。

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近寄れば寄るほど恐ろしいお多福門です。


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これも授与土鈴になるんでしょうか。とても愛らしいお多福さんの土鈴を購入。置きものだと敬遠してしまうのですが、土鈴だとつい手が出ます。

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左は櫛田神社の五色豆500円。右は箱崎宮の福豆300円。容器と掛け紙は異なるものの、製造しているのは同じお店でした。200円の差額は如何に…

そうそう昨日はわたくしの通う和裁教室の針供養行事で箱崎宮参道にあるレストラン迎賓館へ参りました。今は牡丹が見頃ですがまだまだつぼみもたくさんあり楽しめます。

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針供養後にみなで参拝した箱崎宮にてお札と福豆を求めました。



節分など祭日でもなし、毎日忙しくお勤めの方々にとってはほんとうに見過ごして何もしないで過ごしてしまう日かもしれませんが、立春は新年に相当する意味合いととれば前日の春の節分に心新たにする機会ともなります。節目節目に毎日を心正しく生きるよう肝に銘じます。さて、次は8日の初午祭!

おとなの「お誂え」

自分のために作られた「お誂え」が出来上がってきたものを開封する瞬間はまさにおとなになってよかったなぁ?と実感するひとときであります。以前にご紹介いたしましたオールハンドメイド注文制作革工房のFAR EAST HORIZON(ファー・イースト・ホライズン)にて夫のメガネケースを注文しておりました。期間限定でイムズ4階に出店なさっていますが、2月14日まで!期間を延長しての出店となっております。



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麗しき艶のヌメ革メガネケース。

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この無駄の無さ!

ご覧いただきましてわかりますように、夫のメガネはフレームの形状が特殊にカーブしています。普通のメガネケースには入らないのです。もちろん購入時にはオリジナルのケースがついていたわけですが…

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四方に余裕を持たせたバカでかい作りで、ファスナー式の開閉でした。大体が、日に何度も開閉するという条件においてファスナーというのは耐久性がありません。ひと月ほどで見事にこわれました。どんなに素敵なメガネをつくろうとも備品に対する配慮が足りなければモノづくりにかける誠意は半端なものになると思います。

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オリジナルのケースを持参してこちらの要望を伝えたら目の前で、的確で素早い採寸、そして豊かなデザイン力により鮮やかに図面を描いてくれます。耐久性があること、片手で開閉ができること、なるだけコンパクトに収めること、経年によってより愛着が増す素材であること、などなどこちらのわがままは尽きません。すべての要望にこたえ、確かな縫製により作られたメガネケースはまさに職人技です。

オーナーの木船さんとのやり取りは、あなたのために最高のものを、という真摯な姿勢伝わってき本当に充実感があります。パソコンでピコピコっとするだけで何でも自宅に居ながら買い物ができると思っている人たちには思いもよらないでしょうが、大人の買い物の楽しみは信頼のおける人間関係に集約されると思います。心から充足感を得られるおとなの「お誂え」、みなさまも如何でしょうか?




オールハンドメイド注文制作革工房
FAR EAST HORIZON(ファー・イースト・ホライズン)

期間   2月14日(月)まで延長して限定出店中
  (期間中毎週火曜日は本店工房での制作のためイムズ店はお休みとなります)
場所   イムズ4階パワコンアベニュー内
連絡先    090?8225?5483
e-mail   f.e.horizon@ezweb.ne.jp
HP  http://www.far-east-horizon.comそのほかの商品やブログもあります

「漆器まつり」御礼

はじめての「漆器まつり」、本当にたくさんのお客様にお越しいただきまして心より御礼申し上げます。

漆器は、一般的な道具とちがい複数の材料、工程を経て出来上がるものなので基本的な構造や材料に関する知識がなければその良し悪しの判断をつけづらいものです。したがいまして蛇足ではありますが、漆に関する話を少ししておきたいと思います。

今回の漆器類は制作年代が主に明治から大正のもの、モダーン漆器に関しては昭和40年ごろまでの商品です。合成漆器が台頭してくるのは戦後、高度経済成長による工業化の影響が大きかったということはお話ししましたが、それ以前の木製漆器は純国産であると思われる方も多いと思います。しかし意外なことに漆という材料は100年以上前の明治28年ごろから国産を輸入が上回っています。輸入自体は鎖国下の江戸期から行われていたようです。さらに戦後は国内の漆生産量は激減し輸入依存度は99パーセント近いという状況が長年続いています。

ですから素地の木や上塗りは国産のものを使っているにしても下塗り、中塗りには外国産漆を使うというのがほとんどのようです。真っ当な漆器屋さんでは現在でも天然漆の輪島塗箸が1膳1500円程度で買えると申しましたが、これも輸入漆あってこその値段です。国産の木を使った国産の漆だけで塗り箸をつくるとすると、おおよそ1膳が8000円以上はします。天然木にポリエステル樹脂を塗った一見して同じように見える塗り箸が100円から販売されていることを考えると、売れませんよね。同じように見える100円の箸と8000円の箸…


そうなると外国産漆よりも国産漆のほうが良いのか?という疑問が湧いてきますが、これは生産される地域によって漆の組成がことなります。漆は中国、日本、ミャンマー、タイ、カンボジア、韓国といったアジア圏でしかとれませんが、日本に輸入される漆はそのほとんどが中国産です。この国産漆と外国産の漆、何がちがうのかと言いますと主成分ウルシオールの濃度です。一般的に中国産、韓国産に比べ日本産のもののほうがウルシオール濃度が高く品質が優れていると言われますが、実際には中国産も各省で幅広く採取されており国内でも大和産、相模産など産地ごとにもかなり成分に違いがみられることもあり一概には日本産が優れているとは言えないようです。漆そのものよりも明治、大正の漆器と現代の漆器、その大きな違いは作っている人の違いのほうが大きいような気がします。

いまではほぼ絶滅した「職人」と言われる人たち。以前にも博多包丁の件で書きましたが、いわゆる丁稚奉公ができなくなったのは労働基準法が昭和22年に制定されたためです。それ以前の塗師屋(ぬしや)の徒弟制度はどうだったのかと言いますと、江戸幕府藩政のころは年季(勤めを約束する期限)が13年、明治の初めは9年、大正時代は7年だったそうです。親に連れられて酒一升を持って弟子入り、親方の家に住み込みで兄弟子の世話や家事や子守などの雑用をこなします。本来の仕事のほうは3年目で初めて塗りの仕事が与えられ、年季明け一年前にようやく上塗りが許されます。しかもそれはみなができるのではなく、品行方正、技量優秀なものだけが許されたといいます。そして年季明けになると親方と親子盃をし、名の一字をもらって独立します。それだけの年月に努力を要する「職人」の仕事が、現代の漆器作家と比べるべくもないのは仕方のないことです。
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職人個人の技量自慢よりも、見えない下地にしっかりとした技術をを施すという誇りのある仕事は、きちんと責任を負っています。つくったものに作家銘を入れるようなことはしませんが、職人が責任を持って作ったものには、共箱や包装紙に屋号や職人個人の名前が印字されているものも多くあります。

とくに輪島地方の職人には小唄、三味線、謡曲や俳句などの遊芸は一通りおさめた人も多かったそうで、輪島の芸者がほかの地方にくら替えするとお給金が上がったそうです。芸達者なお客の相手をしているから自然と芸者の芸も上達するんですね。時代のながれだとはいいますけれど、そうした人間らしい余裕をもった職人が作ったものはおのずとその作品にやわらかみというか深みがあるのは必然の様な気がします。しかし失ったシステムを再び、というのは無理な話ですし懐古主義には陥りたくありません。国内でも岩手県の浄法寺漆は生産量を増やす試みが盛んに行われています。そうした活動を後押しする意味を込めて良い商品を見極め、現在作られている漆器を手にとってみて欲しいと思っています。




さてさて、長くなりましたが今回の「漆器まつり」において実際に漆器を購入して使ってみた!というかた、もしよろしければ今回コメント欄をつけておりますのでご意見、ご感想をお寄せいただけましたら幸いです。わたくしこけしは店頭に立つことがめったにないものですからお客様と直接お話しする機会もないもので、いつもブログを見てるだけ、といった方もこの機会にご要望、ご批判等頂戴できましたらとおもいます。

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正しい古道具の値切り方

先日、いつも骨董市に出店している同業者との話で思うことがありましたのでひとつ。その同業者の方は、次回から骨董市への出店をとりやめるというので、なぜか聞きましたら商品の値切り方があんまりな方が多くなってきたので、わずかな収入を得るのに割に合わないということでした。

客  「これって安くなりますか??」

業者 「(値札には3000円の商品)それじゃもう1000円でいいですよ」

客  「え?、100円になりませんか??」


わかりやすく言うと、こういったことです。骨董市は学校のバザーなどと違って、仕事として商品を集めて売りに来ているわけですから、業者の提示する値段を無視した値切り方は、はっきり言って失礼です。ここ数年の天然系古道具人気はそういった類の雑誌類から端を発していますが、そうした雑誌やフリーペーパーなどにも「骨董市は値切るのも楽しみのうち!」といった文言が書いてあるものも多いです。たしかにそれは本当のことですが、値切るのにも暗黙の了解、ルールというものが存在します。


客  「このAとBとCとDは、いくら?」

業者 「Aは2000円、Bは3500円、Cは1000円、Dは500円です」

客  「じゃあ、これ全部もらうから、このD(一番安価な商品)をひとつおまけしてくれない?」



これが、一番王道の値切り方です。数万円の商品一点だけを値切りたいという場合は正攻法で「これ、いくらか安くなりますか?」と聞く方法が妥当でしょうが、あまり商品単価の高くない商品を値切って購入したいと思っている場合は、ほかに欲しいものを見つくろって、複数個買うから値引きしてくれ、というのが妥当です。



骨董市などに出店する業者は、店舗とは違って、その日一日の売り上げを見積もって持ってきた商品の価格を振り分けることがほとんどです。たとえば「今日の荷物は全部で5万円で仕入れてきたから、今日1日で15万円くらい売り上げが上がればいいかな」という風に考えます。ですので、朝一番にもってきた壷がひとつ12万円で売れたとしたら、そのほかのものはさほど高く売らなくてもいいや、と思うわけです。

または、Aはやむを得ず5万円で仕入れてしまったがあまり高くは売れない商品なので6万円の値段をつける。それをお客が来て「1万円にしてくれ」といわれても無理なのです。信頼ある業者間では、その辺りは正直に話し、Aはこれでぎりぎりの値段だからまけられないけど、B?Eは利益が出ているのでまとめて買ってくれるなら半分の値段でいいよ」といった風にです。




そして、店舗の場合。個人的な見解ですが、お店でついている値段を値切るのはもっと失礼です。骨董市のように一期一会で買い物をするでなし、お店の看板を背負ってものを売っているわけですから、店主はそれぞれに自信をもって商品を買い付け、メンテナンスし店頭にならべて、商品の価格をつけているはずです。それを、はじめてお店に来た人が、「これってついてる値段より安くなるんですか?」といったようなことを言うのはお店の人の仕事に対する侮辱です。あえて値切らせるための高い価格設定を行っている店もあるでしょうが、例外的なものです。

また、そのお店にとっての上顧客(毎月かなりの金額を買い物してくれるお客様)の場合は、お礼的な意味を含めて値切り交渉が通用する場合も多くあるでしょう。そこまでの信頼関係を築くのには、ある程度の時間とお金がかかります。またそうした買い物慣れしたお客様というのはツボを心得ているので、毎回値切るようなことはしません。






欲しいと思ったものを安く買えた!というのは実際楽しいことです。ですが矢鱈な値下げ交渉は、相手に不信感を抱かれますし、骨董市などでは、お客とケンカ寸前にエキサイトしている業者や、あんたには売らない!と啖呵を切っている業者もたまに見かけます。くれぐれも、売っている相手への尊厳をもってお買い物にのぞんでほしいと思います。

TAKE FREE!

おいなりさんの名刺、できました。

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もらってやろうという方は、店頭までどうぞ。名刺交換も歓迎。限定50枚です。





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このたび最高顧問に就任しました、おいなりさんです。偉くなったためか、お膳の上から降りようとしません。